ニュース 社会 作成日:2020年6月30日_記事番号:T00090784
台北市大同区の「迪化街」といえば、歴史的建築物が立ち並ぶ問屋街として知られ、外国人にも人気の観光地となっている。しかし実際に人が集まるのは南エリアばかりで、北エリアは数多くの観光スポットが存在しているにもかかわらず、いつも閑散としている。そこでこのエリアの活性化を図ろうと、地元の商店が中心となって特色ある町づくりに努めている。
李亭香餅店では結婚の際に新婦側が親戚や友人に配る「喜餅」などの伝統菓子を購入できる(YSN)
迪化街は、19世紀に淡水河の水運を利用した台湾北部の商業、貿易の中心地として栄えた「大稲埕」と呼ばれる地域内に位置し、当時は米国やドイツの領事館、商館が開設されていた。その後、日本統治時代に入ると「永楽町」と名付けられ、紡績・布製品、薬の問屋街として隆盛を極め、次々に新しい建物が建設された。
戦後、迪化街へと名を変えたこの町は1970年代ごろから衰退に向かい、再開発計画も持ち上がったが、反対運動が実り、歴史的建築物は保存されることとなった。さらに建物の改修が進められるとともに徐々に活気を取り戻し、現在では市民が春節(旧正月)前に年貨(春節用品・食材など)を買い求める問屋街として知られるほか、台湾の歴史を感じられるエリアとして人気観光地ともなっている。
ただ現在、観光客は縁結びの神様「月下老人」が祭られていることで有名な「台北霞海城隍廟」周辺の南エリアに集中し、都市交通システム(MRT)大橋頭駅を北端とする北エリアまで足を運ぶ者はまれだ。
しかし台北市政府文化局の統計によると、南エリアにある古跡は1カ所、歴史的建築物は14軒なのに対し、北エリアには日本時代の12年に建設されたレンガ造りの「十連棟」など、23軒の歴史的建築物が存在する。
▽伝統菓子店の「李亭香餅店」▽薄い紙のような状態のポークジャーキーで有名な「江記華隆」▽古い建物をリノベーションした台湾茶カフェ「迪化半日」──など特色ある商店も立ち並び、その魅力は南エリアに劣らない。
ただ▽大橋頭駅構内の出入り口表示が分かりにくい▽案内板の情報が古いままとなっている▽歩道の変電ボックスが動線の障害物になっている──といった問題点も少なくないことから、地元の商店経営者は市議に陳情を行い、市政府に協力を求めた。
その結果、既に歩道の整備が進められているほか、変電ボックスの移設も決まった。9月には大橋頭駅の案内板情報が更新されるとともに、2カ所の出口周辺に新たな案内板を設置することが決まった。
こうした努力が実を結べば、「迪化街といえば北エリア」という日がいつか到来するかもしれない。
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