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6月輸出受注、パネル・電子製品が不調


ニュース その他分野 作成日:2008年7月24日_記事番号:T00009080

6月輸出受注、パネル・電子製品が不調

 
 6月の輸出受注額は、前年同月比9.27%増の313億6,000万米ドルで、伸び率は2007年3月以来の低さとなった。経済部が23日発表した。パネルなどの精密機器や電子製品で、欧米や日本からの受注が伸びなかったことが主因だ。世界的なインフレや米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題による消費不振が、台湾の輸出にとっても大きな障害となっていることがうかがえる。
 
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 パネルなど精密機器(25億3,400万米ドル)の輸出受注額の年成長率は、5月の18.54%から、6月は8.24%まで10.3ポイント落ち込んだ。電子製品(受注額70億9,200万米ドル)も5月の17.91%から6月は9.83%まで約8.1ポイント下落した。

 一方好調だったのは情報通信機器で、ノート型パソコン(ノートPC)、スマートフォン、GPS(全地球測位システム)メーカーからの受注増で、年成長率11.97%の65億8,000万米ドルを記録した。化学品は同61.43%の19億1,000万米ドルで、成長率がこの2年で初めて通信機器を上回った。

イラク戦争以来のマイナス成長

 6月の米国からの輸出受注額は前年比3.86%減の70億3,000万米ドルで、全体の22.41%を占めた。成長率がマイナスとなったのは、イラク戦争の影響を受けた03年4月(8.4%減)以来初めてだ。特に電子製品は1億米ドルもの減少となった。

 製品別では多い順に、▽電子製品、18億9,000万米ドル(全体の26.93%)▽情報通信機器、18億3,000万米ドル(25.98%)▽金属・金属製品、5億7,000万米ドル(8.18%)──となった。

2けた成長は8月以降

 上半期の輸出受注額は前年同期比14.34%増の1,824億4,000万米ドルだった。

 黄吉実経済部統計長は23日、輸出受注額の年成長率は7月も1けたとなり、2けた成長まで回復するのは8~9月になるとし、通年の受注額は3,600億米ドルとの予測を示した。
 
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工業生産指数は昨年5月来最低

 経済部統計処が23日発表した工業生産変動概況によると、6月の工業生産指数の前年比成長率は5.12%で、そのうち製造業は5.9%だった。ともに07年5月以来最低の伸び率だ。

 製造業の成長率は、▽電子部品(15%)▽化学材料(5.8%)▽金属工業(マイナス0.4%)──などが低い数値となったため、全体が引き下げられたと統計処は分析している。

 統計処によると、世界経済の成長は弱まっているが、新興国の需要は伸びており、太陽電池やパネルメーカーが投資を続けていることから、第3四半期も成長が期待できるという。