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虐待受けた犬が高山放浪、登山家が保護に奔走


ニュース 社会 作成日:2020年7月2日_記事番号:T00090826

虐待受けた犬が高山放浪、登山家が保護に奔走

 台中市と花蓮県にまたがる高山、南湖大山(標高3,742メートル)の山頂近くに位置する美しい谷あい、南湖圏谷で3カ月ほど前、迷い込んだ1匹のピットブルが痩せ細った姿で発見された。この犬はかつて飼い主に虐待を受けていたらしく、極度に人間を恐れていたが、そのまま放ってはおけないと考えた登山家たちが協力して保護し、下山させようと奔走する物語が感動を呼んでいる。

/date/2020/07/02/18kakomi_2.jpg阿鴻さんと小花花。南湖圏谷を管理する太魯閣(タロコ)国家公園管理処も、小花花の下山に向け協力する予定だ(1日=中央社)

 標高3,500メートルを超える南湖圏谷で、ピットブルを発見したのは登山ガイドを務める「阿鴻」というニックネームの男性だ。この犬は当初、全く人間を寄せ付けなかったが、骨と皮だけになった姿を見ていられなかった阿鴻さんは「小花花」と名付けた上で、食べ物を与えるなど献身的に世話を続けた。

 阿鴻さんが愛情を注いだ結果、小花花は彼が一声呼べばすぐにやって来て、そばにぴったりと身体を近づけるまで信頼を寄せるようになった。

 小花花は虐待を受けて元の飼い主から逃れ、自ら山に登ったのだろうか。阿鴻さんは、このまま山上での暮らしを続けさせることは適切ではない、小花花を下山させ、新たな飼い主を見つけようと考えた。

 南湖圏谷から最も近い道路までは約22キロメートル離れており、登山ガイドといえども4~5時間を要する。この間、小花花の首にリードを付けて引っ張った場合、せっかく築き上げた信頼関係を損なう可能性がある。

 阿鴻さんは他の登山家たちと協議した結果、リードは付けずに誘導する方法で下山させると決めた。いざ実行してみると、苦労して道路近くの開墾地まで連れて行ったものの、小花花はそこから前へ進まなくなり、ついに山へと戻ってしまった。

 半月ほど前に再チャレンジした際は、開墾地を超えて道路まで100メートルのところまで接近。しかし、通りかかった車のクラクションに驚いた小花花は全く動かなくなってしまった。

 その後、阿鴻さんが仕事で手を骨折。下山計画は現在、一時停止状態となっている。とはいえ小花花は徐々に道路に近づいており、阿鴻さんと協力者たちは、後は忍耐強く何度も挑戦するしかないとの考えで一致している。