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日本時代の鉄道当局庁舎、博物館としてオープン


ニュース 社会 作成日:2020年7月7日_記事番号:T00090900

日本時代の鉄道当局庁舎、博物館としてオープン

 日本統治時代に台湾総督府交通局鉄道部の庁舎として建てられ、現在は国定古跡に指定されている交通部台湾鉄路管理局(台鉄局)旧庁舎を活用した博物館、国立台湾博物館・鉄道部園区(台北市大同区)がきょう7日、正式にオープンした。

/date/2020/07/07/18kakomi_2.jpg鉄道部園区。レトロな外観で、写真撮影スポットとしても人気となりそうだ(6日=中央社)

 日本時代、台湾における鉄道事業を管轄した台湾総督府交通局鉄道部の庁舎はほぼ百年前の1919年、台北府城北門(承恩門)の近くに完成。設計は台湾総督府(現・総統府)や台北州庁(現・監察院)などを手掛けた建築家、森山松之助が担当した。

 同施設は日本時代だけでなく、戦後も90年に完成した現在の台北駅に台鉄局本部が移転するまで、一貫して鉄道行政の中心地であり続けた。

 その後は放置され、荒廃が進んでいたが、92年に台北市が旧庁舎を市定古跡に指定。2006年には国立台湾博物館が同施設を博物館として利用することで台鉄局と契約を締結した。07年には、旧庁舎のほか、八角形をした珍しい設計の男子トイレ「八角楼」や電源室、食堂、戦時指揮センターが国定古跡に指定された。

 この他、周辺には台湾に初めて鉄道が敷設された清時代の「機器局」の遺構も発見され、市定古跡に指定されている。台湾博物館は14年にこれら古跡の修復、整備に着手し、6年の年月をかけて工事を完了させ、博物館のオープンにこぎ着けた。

 鉄道部園区内では「鉄道文化常設展」と「園区歴史・古跡修復常設展」が常設展示されている。また、1935年に開かれた台湾博覧会をテーマとする特別展「異論現代:一九三五台湾博覧会」、1908年に開設された台湾初の洋風旅館、台湾鉄道ホテルに関する特別展「台湾鉄道旅館」も開催されている。

 交通部は2022年を「鉄道観光旅行年」とし、鉄道部園区や▽苗栗県の苗栗鉄道文物展示館▽台中市の台鉄台中駅(国定古跡)▽彰化県の彰化扇形庫▽嘉義県の阿里山森林鉄路▽高雄市の哈瑪星台湾鉄道館──など全土の鉄道関連施設と連携したイベントを計画している。世界から鉄道ファンが集まりそうだ。