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上半期の輸出0.5%増、ハイテクが下支え(トップニュース)


ニュース その他分野 作成日:2020年7月8日_記事番号:T00090902

上半期の輸出0.5%増、ハイテクが下支え(トップニュース)

 財政部統計処が7日発表した上半期の輸出総額は1,580億2,000万米ドルで、前年同期比0.5%増とプラス成長を維持した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が続く中、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)や巣ごもり消費、第5世代移動通信(5G)、Uターン投資増加により、半導体など電子部品や情報通信技術(ICT)・オーディオ製品が2桁成長と好調で、初めて輸出総額の5割以上を占めた。8日付経済日報などが報じた。

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 電子部品の上半期輸出額は前年同期比20.2%増の606億9,400万米ドルだった。うち、半導体は22.8%増の548億9,800万米ドルだった。ノートパソコンやサーバー、ネットワーク機器などから成るICT・オーディオ製品は10.3%増の216億4,600万米ドルだった。

 これらを合計すると、輸出額全体の52.1%(38.4%、13.7%)と、初めて過半となった。

半導体、6月100億ドル突破

 6月の輸出総額は271億3,000万米ドルで前月比0.5%増、前年同月比3.8%減と、4カ月連続の前年割れだった。

 主要製品別では、電子部品が前年同月比23.9%増の111億8,000万米ドルで、過去最高を更新した。うち半導体は27.4%増の102億5,300万米ドルと、初めて100億米ドルの大台に乗った。蔡美娜統計処長は、米国政府の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)への輸出規制強化で、駆け込み調達があったと説明した。

 ICT・オーディオ製品は前年同月比13.8%増の40億2,400万米ドルで、過去2番目の高水準だった。コンピューター関連が34.4%増、記録媒体が26.1%増、コンピューター付属品が12.8%増、スイッチやルーターが11.8%増だった。

 液晶パネルなど光学器材は8億6,600万米ドルで、前年同月比9.7%減だった。

 従来型産業では、▽ベースメタル、19億600万米ドル(前年同月比23.8%減)▽ゴム・プラスチック、15億900万米ドル(23.4%減)▽化学品、12億800万米ドル(25.3%減)▽鉱産物、5億5,300万米ドル(65.5%減)▽紡織品、4億8,800万米ドル(37.1%減)──が2割以上の大幅減少だった。

 電子部品とICT・オーディオ製品を除いた6月の輸出額は、前年同月比23.8%減と、2009年9月以来で最大の減少幅だった。

中国向け、過去最高に

 主要輸出先別では、中国(香港含む)の6月輸出額は125億2,000万米ドルと前年同月比13.8%増加し、同月として過去最高だった。うち電子部品は18億3,000万米ドルで34.3%増加した。ファーウェイの調達前倒しが主因だ。

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 米国は前年同月比3.7%増の40億3,800万米ドルで、同月として過去最高だった。

 一方、▽東南アジア諸国連合(ASEAN)、41億1,700万米ドル(前年同月比12.1%減)▽欧州、20億8,000万米ドル(18.2%減)▽日本、18億2,900万米ドル(11.2%減)──はいずれも前年割れだった。

7月も前年割れか

 蔡統計処長は、7月の輸出総額は前年同月比1.5~4%減と予測した。通年の予測は前年比0.7%減。原料の国際相場の低迷、新型コロナウイルス感染症流行の第2波到来の可能性、および米中関係の悪化が不安材料だ。

【図】【表】