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65年前に太平洋横断、木造帆船を一般公開


ニュース 社会 作成日:2020年7月9日_記事番号:T00090946

65年前に太平洋横断、木造帆船を一般公開

 1955年に台湾で初めて太平洋横断に成功した木造帆船「自由中国号」の一般公開が8日に国立海洋大学(基隆市)内で始まった。

/date/2020/07/09/20sea_2.jpg世界でも数少ない現存する中国式の木造帆船だ(8日=中央社)

 自由中国号は約100年以上前の19世紀末に中国・福建省福州市の造船業者が中国の伝統的な工法を用いて建造した漁船で、当初は「勝孝利号」と名付けられた。その後、何度か持ち主と名称が変わり、最終的に台湾へと渡ったとみられる。

 1955年、米国をスタートする大西洋横断帆船レースに参加することを計画した若者6人が、当時台湾省の主席だった厳家淦氏の資金援助を受けてこの船を購入。自由中国号と名付けた上で、レースに参戦すべく同年4月4日に米国へ向け基隆の正浜漁港を出発した。

 沖縄、横浜に寄港した後、台湾を出港してから114日目にサンフランシスコに到着した。旅程は予想より大幅に延び、目的だった大西洋横断レースには間に合わなかったが、台湾の木造船としては初の太平洋横断を達成したとして当時は大きな話題となったようだ。

 その後、自由中国号はそのまま米国に残され、現地の管理機関によってオークションに掛けられて以降は行方が分からなくなっていた。

 2009年、サンフランシスコの個人が所有する船着き場に放置されているところを発見されたという情報を得た歴史研究者が新聞に投書したことで政府の関心を呼び、ついに12年、自由中国号は57年ぶりに台湾へ里帰りすることとなった。

 台湾へ戻った自由中国号は、修復を経て国立海洋科技博物館(基隆市)に保管されていたが、文化部と海洋大学、海運業を中核とする長栄集団(エバーグリーン・グループ)の張栄発文教基金会が学生や市民の海洋文化に対する理解を深めるため、同船を一般公開する計画を始動させ、海洋大学構内に展示スペースとして「航海園区」を開設。今年2月にここへ船を移した後、このほど一般公開にこぎ着けた。