ニュース 電子 作成日:2020年7月10日_記事番号:T00090951
スマートフォン向け光学レンズ最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)の林恩平執行長は9日、顧客のスマホブランドが軒並み慎重な見方をしており、大部分が発注量を削減したと明かした。中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)を指すとみられる、先月上旬の「一部顧客が発注削減」発言から一気に悪化した。林執行長は、需要は全体的に低下しているが、特にハイエンド機種が深刻と説明した。10日付経済日報などが報じた。
市場では当初、第5世代移動通信(5G)時代が到来し、今年の第3四半期はスマホ業界が一層盛り上がると期待されていた。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が最終製品の購買意欲に打撃をもたらす中、サムスン電子は8月5日に旗艦機種「ギャラクシーノート20」を発表するとみられるものの、中国市場ではファーウェイをはじめスマホ販売不振が続いており、アップル初の5G対応スマホと予想されている「iPhone12」シリーズは発売時期が1カ月遅れるとの観測も出ている。
上位レンズ、開発減速
林執行長は、顧客のレンズ調達は6月から8月までほぼ横ばいと見込む。ハイエンド機種向けと比べ、ローエンド機種向けはそれほど落ち込んでいないと説明した。
ミドルエンド機種向け受注を検討しないのかと問われた林執行長は、レンズは顧客ごとにカスタマイズが必要で、すぐに製品構成を変更することはできないと説明した。
昨年末に出荷を開始した最新の8枚構成プラスチックレンズ(8P)について林執行長は、採用した顧客は多くないと話した。9Pは顧客との共同開発(デザインイン)に入った。ただ、レンズ枚数の増加ペースが減速していると述べた。
新技術の自由曲面(フリーフォーム)レンズは、顧客1社が認証段階で、年内の出荷を見込んでいると話した。
一方、林執行長は、台中市で1カ月前に着工した工場に加え、年末にも新工場に着工し、2023年に完成する予定だと話した。
24%減益
ラーガンの第2四半期連結売上高は前期比3.97%減、前年同期比9.91%減の126億5,000万台湾元(約460億円)で、過去5四半期で最低だった。粗利益率は68.63%と、前期比1.17ポイント下落、前年同期比0.97ポイント下落した。純利益は49億8,900万元で前期比25.7%減、前年同期比24%減だった。過去5四半期で最低だった。年初来の対米ドルの台湾元高、対台湾元の人民元安で、為替差損が9億1,000万元と、過去2番目に大きかった。
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