ニュース 社会 作成日:2020年7月10日_記事番号:T00090972
台北市と新北市の都市交通システム(MRT)と路線バスが30日間乗り放題となる1,280台湾元(約4,600円)の定期券「双北公共運輸定期票」について柯文哲台北市長がこのほど、「速達業務に利用して月に1万元分以上乗っている者がいるようだ」と語り、サービスの妥当性に疑問を呈したことを受け、台北市公共運輸処(公運処)が調査したところ、実際に1万元以上利用している者が3人存在することが判明した。
双北公共運輸定期票は、公共交通機関の利用促進を目的として2018年3月に導入されたもので、MRT、バスの他、公共レンタサイクル「YouBike(ユーバイク、微笑単車)」も毎回初めの30分の利用が無料となる。柯台北市長は当時、新北市の朱立倫市長と共同で記者会見を開き、大々的に発売を発表しており、今回、自分が打ち出した政策に自ら「けち」をつけた格好となる。
公運処の調べによると、今年1月の双北公共運輸定期票販売数は約30万枚。1人当たりの実際の利用運賃は3,000元以下が全体の約98%、3,000元以上が2%を占め、平均は1,600元だった。
なお1万元分を超える利用者3人のうち2人はMRT、1人はバスの利用が多かった。このうちの1人は1カ月間でMRTとバスに900回搭乗しており、平均すると1日に30回、1時間に3回以上、乗っていた計算になる。
この事例について公運処の楊欽文主任秘書は、「ずっと乗りっ放しで、特に目的はないようで、仕事で利用しているようには感じられない」とコメントした。
また1万元分を超える利用者について、同定期券の機能が付与された悠遊カード(イージーカード)をコピーして複数人で使用しているのではないかと指摘する声も上がっているが、調査ではそうした形跡は見られず、いずれも合法的な利用だった。
柯台北市長は不正な利用を防ぐため、利用額の上限を3,000元に設定してはどうかとの考えを示した。インターネットユーザーなどからは「食べ放題のレストランを始めておいて、客に食べ過ぎと文句を言うのは筋違い」「当初の価格設定が低過ぎたとすればそれは市長の問題だ」などと批判する声が上がった。
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