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片道2時間の台中路線バス、トイレ問題が深刻


ニュース 社会 作成日:2020年7月13日_記事番号:T00090996

片道2時間の台中路線バス、トイレ問題が深刻

 東西に長く伸びる地形の台中市には、広大な市域に路線バス網が整備され、市民や観光客に愛用されている。しかし、一部の路線は運行時間が2時間に及ぶにも関わらずトイレ休憩がないか1回のみで、乗車中に催した場合、大変な事態となる。このため、市議会議員などから改善を求める声が上がっている。

 台中市を走る路線バスで最も運行時間が長いのは、台湾高速鉄路(高鉄)台中駅から東部に位置する温泉地、谷関までを結ぶ「153線」の約2時間半。また、谷関からさらに東部の梨山まで山間部を縫うようにして走る「865線」(1日3往復)と、台中市東勢から大雪山国家森林遊楽区を結ぶ「252線」(土日休日のみ1日2往復)も運行時間が約2時間に及ぶ。「153線」と「865線」には途中、トイレ休憩を1回挟むが、「252線」は終点までノンストップだ。

 「865線」の運転手を務めていた王茂松さんは、山道では簡単に停車することはできず、自分自身はできるだけ水分量を抑えるようにしていたが、乗客の中にはやはり我慢できなくなる者がいて、これまで何度か「草むらに隠れて用を足すから路肩にバスをとめてくれ」という要求に応じたことがあったと語った。

 また、市内在住の高齢女性は、年を取るにつれてトイレが近くなるため、中には1時間半以上バスに乗る際はおむつをする者もいると指摘。自身もできるだけ長距離のバスには乗らないようにしていると語った。

 こうした状況について一部の台中市議は、「車内で用を足せというのか」「おむつを配布すべきでは?」などと台中市政府を批判。これを受けて市政府は、運行時間が1時間を超える路線については途中のターミナルでの休憩を設けることや、バス停に簡易トイレを設置するなどで改善を図ることを検討すると回答した。