ニュース 社会 作成日:2020年7月17日_記事番号:T00091097
太平洋やインド洋などやや浅い深海に生息する巨大な口が特徴的な大型のサメ「メガマウス」は、なかなかお目にかかれないことから「幻のサメ」とも呼ばれ、日本では捕獲されるたびにニュースとなる。実は台湾は世界でも有数のメガマウス捕獲地となっており、過去34年間に世界で捕獲された個体の6割以上が台湾で捕らえられている。
漁業署のオブザーバーが今後も漁船に同乗し、メガマウスを捕獲したら放流しているか確認する方針だ(16日=中央社)
メガマウスは1976年にハワイ沖で発見され、ネズミザメ目の新種と確認された。ジンベエザメ、ウバザメに次ぐ3番目に大きいサメで、1億年前から生息しているとする研究もある。
目撃例、捕獲例は極めて少なく、76年以降の捕獲例は226匹にとどまる。しかし台湾近海では比較的頻繁に刺し網漁の網などにかかっており、行政院農業委員会(農委会)漁業署の統計によると台湾での捕獲例は138匹に上り、世界全体の61%を占める。
台湾では誤って網にかかるだけでなく、定期的に「メガマウス漁」も行われているようで、今年6月には6匹、今月に入っても2匹が捕獲されている。捕獲されたメガマウスの肉が海産物店で販売されたこともある。
メガマウスは現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅の恐れがない「低危険種」に分類されている。米国で2004年に捕獲が禁止されたこともあり、台湾では動物愛護団体の台湾動物社会研究会(EAST)が早くからメガマウスの保護活動に取り組み、政府に対しても捕獲が禁止される「保育類」のリストに加えるよう訴えてきた。
その結果、農委会は13年、メガマウスを捕獲した場合、当局に報告を義務付ける規定を設けたほか、今年2月にはメガマウス漁の漁船にオブザーバーを乗船させ、漁法についての理解や捕獲後の個体の状況を記録するようになった。
そしてきのう16日、漁業署はメガマウスの捕獲禁止を予告。早ければ60日後に発効する見通しとなった。
ただ台湾ではメガマウスの捕獲時期は4~8月に集中しているため、保護活動家などからは「禁漁」までに引き続き捕獲が行われる可能性があると懸念する声も上がっている。
これに対しEASTは、事前に漁業関係者と交渉を進め、13日に、年末までの期間、メガマウスを捕獲した場合、生死にかかわらずその場に放流することで合意し、署名を交わした。
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