ニュース 社会 作成日:2020年7月22日_記事番号:T00091164
科技部は21日、新たに建造した海洋調査船「新海研1号」の命名、引き渡し式典を台湾国際造船(台船、CSBC)基隆工場で行った。船首には台湾で唯一となるタワー状の気象観測設備を備えている。同船の運用責任者を務める台湾大学海洋研究所(海研所)の詹森所長は、今後、観測能力は日米の調査船に肩を並べることになると強調した。
同船の引き渡し式典に出席した蔡英文総統(中)は、新海研1号の建造について、艦船や輸送船の台湾生産を目指す「国艦国造」計画の実力を示すもので、台湾の造船史におけるマイルストーンとなると述べた(科技部リリースより)
科技部は学術界からの要望を受け、16億台湾元(約58億円)を投じて老朽化した海洋調査船の更新プロジェクトを始動。台船が設計と建造を手掛け、3隻の新型船を完成させた。「新海研2号」「新海研3号」と名付けられた800トンクラスの2隻は既に昨年末に引き渡しを終え、今回、トン数2,200トンと台湾最大の海洋調査船となる「1号」の引き渡しが実現した。
新海研1号は、全長66メートル、最大幅14.8メートルで乗組員19人と研究者28人の乗船が可能、船内に40日分の燃料、水、食料を備蓄することができるという。
水深、海流、海底などに関するさまざまなデータが計測可能な最新の装置を搭載しており、水深7,000メートルの海底の形状を詳細に立体図形化したり、水深5,000メートルの目標物を追跡したりすることもできる。このため墜落した飛行機のブラックボックス捜索にも利用可能だ。
新海研1号は航行中、気象観測設備で収集したデータを即座に交通部中央気象局に転送し、天気予報などに活用することも可能だが、台大海研所の詹所長によると、今後1年以内に150キロメートル以内の大気の変化が観測可能なレーダーを追加搭載する計画で、これが実現すれば世界レベルの気象観測能力を備えた調査船にアップグレードするという。
新海研1号は年末、グアムに向けて初航海を行う予定で、将来的には高雄~グアム~パラオ間を航行し、太平洋西部海域における台風の形成やマリアナ海溝、北赤道海流の研究に利用される見通しだ。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722