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国民法官制度、23年1月から段階導入


ニュース 政治 作成日:2020年7月23日_記事番号:T00091177

国民法官制度、23年1月から段階導入

 立法院臨時会は22日、日本の裁判員制度に相当する「国民法官」制度の導入に向けた国民法官法案を可決した。特定の刑事事件を対象とし、2023年1月から段階的に実施される。国民法官は職業裁判官と共に「国民法官法廷」を構成し、量刑まで審理の全過程に参加する。23日付聯合報などが伝えた。

 国民法官制度は蔡英文総統が2期目の就任演説で表明した司法改革の重要な一環で、制度的には米国の陪審制よりも日本の裁判員制度を参考にした。許宗力司法院長は、国民法官法は市民の改革への期待に応えたものと指摘した。

 国民法官制度では、少年による刑事事件や薬物関連の事件を除き、▽23年1月から、殺人など「故意の犯罪により死亡に至った」事件▽26年1月から、懲役10年以上の犯罪──が対象となる。司法院は年間500~600件の刑事裁判が対象になるとみている。司法院は「国民参与審判制度成効評估委員会」を設置し、毎年評価報告を取りまとめる。

 国民法官法廷は職業裁判官3人と国民法官6人で構成される。有罪判断は、双方から1人以上が同意の上、3分の2以上が同意することが条件となる。量刑判断は、双方から1人以上が同意の上、過半数の同意で決定するが、死刑については3分の2以上の同意が必要となる。

 国民法官は満23歳以上で義務教育を終え、地方法院の管轄区域に連続4カ月以上居住している台湾人から選出される。ただ、▽総統▽副総統▽民意代表▽政務官▽現役の軍人、警察▽司法官試験、弁護士試験の合格者──などは選任されない。

 制度運用に当たっては、難解な法律用語を国民法官に分かりやすい形で示す努力のほか、凶器や遺体などの証拠写真を目にしたことによる心理的ショックの防止なども課題となりそうだ。