ニュース 電子 作成日:2020年7月24日_記事番号:T00091188
IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)は23日、ミドルレンジの第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン用システム・オン・チップ(SoC)「天璣(Dimensity)720」を発表した。エントリー機種用の「天璣400」も年内に量産、出荷を開始するようだ。比較的低価格の5G対応スマホ発売が相次ぐとみられる中、メディアテックの下半期の5Gチップ出荷は4,000万~5,000万セットへと、上半期の4~5倍に増えそうだ。24日付工商時報などが報じた。
天璣720は、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の7ナノメートル製造プロセスを採用。独自の省電力技術「5G UltraSave」により、ネットワーク環境や使用状況次第でモデムの動きをコントロールし、バッテリーの寿命を延ばす。中央演算処理装置(CPU)は英ARM(アーム)の「Cortex-A76」2コアを含むオクタコア(8コア)構成。競合製品は、米クアルコムが先月発表した「スナップドラゴン690」とされる。
海外メディアによると、天璣720はOPPO広東移動通信が間もなく発売する新機種に採用されている。華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、小米集団(シャオミ)などの中国ブランドも採用を決めたようだ。中国ブランドからの大口受注が続き、メディアテックは第4四半期の7ナノプロセス生産でのウエハー投入枚数を2万5,000枚追加したとされる。
証券会社は、メディアテックの5Gスマホチップ上半期出荷量は予想以下だったが、通年では6,000万セット以上と予測した。来年の5Gスマホチップ出荷量は1億5,000万セット以上に上る可能性もある。
ファーウェイは、米国の輸出規制強化を受け、クアルコムからメディアテックに発注を切り替えている。ファーウェイ傘下の海思半導体(ハイシリコン)の「麒麟(Kirin)」シリーズの在庫が、ファーウェイが年内に出荷するスマホ旗艦機種800万~900万台分しかないことも要因だ。ファーウェイは米国から調達する部品の輸出許可が出ない状況が続いた場合、メディアテックへの発注をさらに増やすと考えられる。
4Gチップも需要旺盛
あるサプライヤーは、スマホ大手ブランドが下半期の市場シェア獲得のため、5Gスマホより消費者が買いやすい4Gスマホ販売を促進することで、メディアテックは4Gスマホチップの多くも年内いっぱい供給不足になると予測した。
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