ニュース 医薬 作成日:2020年7月28日_記事番号:T00091241
セラミック工芸品大手の法藍瓷(フランツ・コレクション)は27日、傘下の医療機器メーカー、法藍瓷生技(フランツ・バイオテック)の3次元(3D)印刷技術によるオールセラミック義歯(入れ歯、クラウンなど)が、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)の医療機器に関する認証を取得したと発表した。3Dセラミック義歯の認証は台湾初。欧米でも9月に認証申請を行う予定だ。230億米ドル規模とされる世界の審美歯科の商機獲得を狙う。28日付工商時報などが報じた。
陳総裁は、新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功した台湾の医療技術は世界で評価されており、同社の3Dセラミック義歯の海外進出に追い風だと語った(27日=中央社)
フランツ・バイオテックの3Dセラミック義歯はスマート製造技術を取り入れ、3Dセラミックプリンターで患者の歯から正しいかみ合わせになるように二酸化ジルコニウムの層を積み重ねて造形する。従来の削りだして作る義歯よりも原料の無駄が出ず、コストを低減できる。フランツの陳立恒総裁は、3Dセラミックプリンターや製造工程、原材料はいずれも自主開発しており、他のメーカーの数十分の1の価格で提供できると強調した。また、他の歯と色を合わせるため、デジタル測色計を導入している。
フランツ・バイオテックは2018年7月設立。内湖科学園区に工場があり、衛生福利部(衛福部)の医療機器の適正製造規範(GMP)、医療機器の品質マネジメントシステムに関する国際規格「ISO13485」を取得している。セラミック義歯の生産能力は年間5万個。台湾では年間100万個以上のセラミッククラウンの需要があると見込まれている。
19年末には歯科医院、クリニック向けにライセンス供与を開始。直営の歯科クリニックを台北市松山区の民生社区で開業した。今年の10月にはフランツ審美歯科センターを設置する予定だ。
米食品医薬品局(FDA)や、欧州連合(EU)の安全基準認証「CEマーク」申請を9月に行う。早ければ、来年末にも認証を取得する見通しだ。3Dセラミック義歯を手掛ける国際大手は少なく、いずれもまだFDAの認証を取得していないため、フランツ・バイオテックにとって今後3年が勝負だ。日本や中国の企業との提携交渉も進めている。
半導体にも応用か
フランツは今後、3Dセラミック印刷技術を医療分野だけでなく、情報通信技術(ICT)、航空宇宙産業などにも応用する方針だ。交通大学電子工程学系、創新服務(イノスター・サービス)と、半導体のパッケージング・テスティング(封止・検査)などへの応用で産学提携を行っている。イノスター・サービスはファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)のサプライヤーだ。3Dセラミック印刷技術は5ナノ・3ナノメートルなどの先進製造プロセスで、微細化の対応が求められる原材料や設備などで採用される可能性がある。
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