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スーパー最大手の全聯、台湾最大の自動化倉庫(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年7月29日_記事番号:T00091265

スーパー最大手の全聯、台湾最大の自動化倉庫(トップニュース)

 スーパーマーケット最大手、全聯福利中心(PXマート)は南部の高雄市にある同社の岡山物流センターで、同社初、小売業として台湾最大となる自動化倉庫を6月に稼働した。ロボットアーム4台などの自動化設備導入で、発注日翌日の店舗納品の効率が高まり、台湾全土の4割の店舗では当日夜の納品も可能となる。今後、北部と中部の物流センターでも自動化を進める。29日付経済日報などが報じた。

/date/2020/07/29/00px_2.jpgロボットアーム。1時間当たり保管用ボックス1,200個の商品を処理する(28日=中央社)

 岡山物流センターの自動化倉庫は、2018年から10億台湾元(約36億円)を投じ整備を進めていたもので、従来個別に運用されていた自動化機能が情報システム化により初めて一体化された。面積は1,050坪、1坪当たりの保管可能数は従来型倉庫の5倍で、全体で最大85万箱。スタッカークレーン7台が1時間当たり約1万箱、シャトルカー32台が1時間当たり物流用ボックス3,200個を処理する。

 全聯の謝健南副董事長は、同倉庫では、ベンダーが手順に従って倉庫に商品を納品すれば、ベルトコンベヤーと高速自動仕分け機により各店舗の必要数量が仕分けられ、自動化過程の所要時間はわずか3分と説明した。倉庫への納品から店舗への出荷まで24時間以内に完了し、効率は10倍以上に高まる。また、電動車両やフォークリフトによるパレット搬送、人手による商品投入がなくなることで、人的コストと所要時間の削減、ミスの低下を実現した。同社の取扱商品は常温(ドライ)品と生鮮食品を合わせ1万種類と、コンビニエンスストアの5倍に上る。

店舗在庫を削減

 謝副董事長によれば、既存の倉庫では納品された商品の50~60%が在庫保管され、倉庫で在庫保管されずに仕分け出荷される「クロスドッキング」は40%だが、将来はクロスドッキングの比率を5%以下にし、在庫保管率を95%に高め、店舗のスペース節約、労働力や時間の削減につなげる。

 同社はこれまで、ベンダーによる各店舗への直接納品に代わる物流センターへの直接納品比率を高めることで、効率化を図ってきた。12年時点では全土600店に対しベンダー1,000社余りが車両2,000台で1日1台当たり20~30店に納品していたが、物流センターの整備が進んだ現在では、全土1,000店に対し、6分の1の車両340台で、1日1台当たり2~3店への最大2回の配送で済むようになった。

 同社の物流関連の投資額は過去10年で250億元に上る。11年から100億元を投じて、桃園市観音、台中市梧棲、高雄市岡山の3カ所で日本の物流システムを導入した物流センターを整備し、北部、中部、南部での物流体制を整えた。1日当たりの取り扱いは最大70万箱に達しており、今年の中元節(旧暦7月15日、2020年は9月2日)セールでの観音物流センターの取扱量は通常の平日の2倍の最大25万箱、岡山物流センターは22万箱、梧棲物流センターは20万箱に達する見通しだ。

/date/2020/07/29/1pxmart_2.jpg

 今後は、早ければ22年に観音物流センターでも自動化倉庫を導入する。高速自動仕分け機など自動化倉庫の整備に16億元を投じる予定だ。また、梧棲物流センターへの導入も検討中で、阪急ベーカリーとの焼き立てパン事業や、通信販売の宅配・店舗受け取りサービス「PXGo!」などの事業との物流面の統合も図る考えだ。

【表】