総統府の蘇嘉全秘書長は２日、民進党の蘇震清立法委員がいわゆる「そごう条項」制定に絡む会社法改正を推進する見返りとして、李恒隆・太平洋流通投資元董事長から賄賂を受け取った容疑で逮捕された事態を受け、辞意を表明し、承認された。蔡英文総統は３日、後任として李大維・前国家安全会議（国安会）秘書長の就任を発表した。中央社電などが伝えた。
蔡総統（左）は３日、李前国安会秘書長の後任人事を発表し、執政は自己の利益でなく台湾を良くすることが目的だと述べた（３日＝中央社）
蘇震清氏は蘇嘉全氏のおいに当たる。総統府は「一身上の都合で辞任を申し出た」とし、蔡総統が辞任を認めたと説明した。
蘇嘉全氏は蘇震清氏ら親族が絡む複数の経済犯罪疑惑にも関与した疑いが浮上していた。蘇嘉全氏は「最近悪意ある攻撃を受けてきたほか、家族が事件に関与した影響で蔡総統に迷惑をかけてきた」とした上で、自分の潔白を改めて主張しつつも、「蔡総統にこれ以上迷惑をかけず、検察に公正な捜査を行ってもらうため」と辞任理由を説明した。
一方、民進党は２日夜、廉政委員会の会合を開き、蘇震清立法委員について、裁判所が勾留を認めた場合、権利停止処分を下すことを決定した。
