新竹科学園区(竹科)12インチウエハー工場第4期工場(12P4)の上棟式を25日行った台湾積体電路製造(TSMC)の蔡力行総執行長は、同工場は年内に設備搬入、来年量産、初期生産能力は月産3万5,000枚で、将来第4、第5期拡張工事が完了すれば月産10万枚に達するとの見通しを語った。40ナノメートル製造プロセスの製品も新工場完成後、量産に入る予定で、新工場への投資額は1,500億~2,000億台湾元(約5,300億~7,000億円)に上る見込みだ。26日付蘋果日報などが報じた。
さらに蔡総執行長によると、南部科学工業園区(南科)12インチ工場第3期拡張部分でも予定通り量産に入るとみられ、来年同社では全面的に40ナノメートル製造プロセスでの量産を導入すると表明した。その上で「同プロセスの導入は他社より半年以上もリードしており、下半期のハイシーズンが不調でも今年12インチ工場への設備投資を縮小するつもりはない」と語った。
12インチ工場の拡充による生産能力向上により、市場では供給過剰となっており、TSMCは今年、設備投資を昨年の26億米ドルから18億米ドルまで、聯華電子(UMC)でも昨年の9億米ドルから今年は5億~7億米ドルに縮小した。
設備業者も、今年上半期は両社の設備投資への意欲は低く、12インチ新工場の拡充速度は昨年に比べ落ちると指摘していた。しかしTSMCは今年、昨年比13%の総生産能力向上、および65ナノプロセスの売上高に占める割合を20%まで引き上げることを予定している。