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台中に新夜市続々、地価引き上げ目的も


ニュース 社会 作成日:2020年8月5日_記事番号:T00091406

台中に新夜市続々、地価引き上げ目的も

 台中市では下半期に新しい夜市(ナイトマーケット)が5カ所に誕生する見通しだ。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着く中でのリベンジ消費(報復性消費、自粛の反動による購買意欲向上)だけでなく、人を集めて商圏を形成し、土地の不動産価値を高める目的もあるようだ。

 台中市の新夜市で最大規模は、建設工事が進む台中都市交通システム(MRT)烏日文心北屯線(緑線)の始発駅「北屯総駅」近くに10月オープン予定の「総駅夜市」で、面積は1,000坪以上。大里区の修平科技大学そばに位置する「大里仁美夜市」も1,000坪以上で、西屯区の宜寧高級中学そばの「東大夜市」は約500坪の広さだ。

 台中市の夜市は通常、広い空き地の所有者が1坪当たり月200~400台湾元(約720~1,440円)の賃料で夜市運営業者に貸し出し、業者が約500万元の費用を投じて整地やインフラ整備を行った後、100区画以上を設定して1日500~800元の賃料で屋台や露店に貸し出す。

 夜市を開設すれば、地主は何もしなくても屋台や人が集まって商圏が形成されて土地の価値が上昇し、最終的に土地を売却すれば、巨額の利益を上げられる。そのため、運営業者に清掃費や光熱費以外は、無償で貸し出すケースもあるそうだ。

 不動産価値の引き上げ目的で夜市を開設して成功した有名なケースは、かつて台中市八期再開発区に存在した「文心南夜市」(約2,300坪)だ。もともと約40万元だった坪単価は13年後に130万元まで上昇。地主はその後、マンション建設を計画するデベロッパーに土地を売却して大きな利益を上げた。

 総駅夜市の運営業者は、用地を10年契約で借り受けている。年末に予定されるMRT開通により、周辺人口が爆発的に増加することを好感して夜市の開設を決めた。周辺には大手量販店の進出も決まっており、人出の増加と商圏の形成を期待する。

 台中市では近年、新しい夜市が登場しては消え、登場しては消えという例が繰り返されている。地主の財テク事情も大きな要因の一つのようだ。