行政院は太陽電池と発光ダイオード(LED)照明を重点産業と位置付け、2015年段階で生産額1兆台湾元(約3兆5,400億円)達成を目標に育成していくことを決めた。太陽電池の研究開発(R&D)へのリソース投入や、白熱灯からLEDへの全面切り替えなど、具体的な後押しを進める。半導体・パネルの「両兆双星(2つの1兆元産業)」に続いて、環境・省エネルギーの世界的潮流で注目を集める両分野を新たな発展の動力とする考えだ。28日付工商時報が報じた。
ソーラーパネル設置、10万世帯普及へ
太陽電池分野では、一般家庭へのソーラパネル設置を、当初10万世帯を目標に推進する。生産額は90億元を見込んでいる。経済部は再生能源条例(再生エネルギー条例)を成立させた上で、設置費用の半額補助や、台湾電力の最低区分である1キロワット時(kWh)2.1元の電気料金適用、および余剰電力の台湾電力による買い取りを実現させる考えだ。
工業技術研究院(工研院)はこれに関連して、独の認証機関、テュフラインランド(TUV)と提携し、年内にソーラーパネルの認証を行うための実験室設置を計画している。
同分野の現状について経済部能源(エネルギー)局の葉恵青局長は、政府の支援の下で、シリコン原料メーカー2、3社が投資を拡大し、薄膜太陽電池メーカー10社が生産ラインを稼働させ、8社が工場設立を発表したとし、既に一定の成果が出ていると指摘した。
日系企業の投資に用地を提供
尹啓銘経済部長は7月27日から8月1日までの日程で日本を訪問し、太陽電池関連メーカーなどに対し、台湾企業との合弁会社設立や研究開発センター設置などの投資誘致を行っている。進出企業には、雲林科技工業区(雲林県)、彰浜工業区(彰化県)、馬稠後工業園区(嘉義県)などの用地を提供する考えだ。
葉エネルギー局長によると、太陽電池産業の生産額は2015年に4,500億元以上の規模となり、関連産業の生産額を合わせると1兆元に上る。
LEDに全面切り替え
劉兆玄行政院長は25日、省エネルギーおよび温室効果ガス排出削減を推進するため、▽太陽熱で水を温める太陽熱温水器の利用家庭を14万世帯増やす▽民間の白熱灯を省エネ電灯に切り替える──などについて4年以内に達成するという目標を発表した。このほか、交通標識用ライトや街灯34万本を3年以内にすべてLEDに取り替える方針だ。
また、今後出荷する自動車のライトをLEDとし、11年からは一般家庭の照明もすべてLEDとするなど、全面的な切り替えを進めることで、1兆元産業として成長させる。