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メディアテックとTSMC、7月2割増収(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2020年8月11日_記事番号:T00091495

メディアテックとTSMC、7月2割増収(トップニュース)

 IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)とファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日発表した7月連結売上高は前年同月を2割上回り、それぞれ過去2番目、過去3番目の高水準だった。メディアテックは第5世代移動通信(5G)対応システム・オン・チップ(SoC)「天璣(Dimensity)」シリーズが、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が9月に発表する5G対応スマートフォン旗艦機種「Mate 40」をはじめ、中国ブランドに相次いで採用されたとみられており、受託生産するTSMCとともに業績好調が続きそうだ。11日付経済日報などが報じた。

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 メディアテックの7月連結売上高は前月比5.6%増、前年同月比29%増の266億9,200万台湾元(約960億円)で、過去2番目の高水準だった。TSMCは前月比12.3%減、前年同月比25%増の1,059億6,300万元で、同月の過去最高、過去3番目の高水準だった。

 米国の輸出規制強化により、ファーウェイは傘下の海思半導体(ハイシリコン)が9月15日以降「麒麟(Kirin)」シリーズ生産を実質TSMCに委託できなくなるため、メディアテックの天璣シリーズを大量に調達するようだ。ファーウェイの5G旗艦機種「Mate 40」シリーズは3モデルのうち2モデルが「麒麟1000」を搭載、1モデルは「天璣1000」を搭載するとみられている。

 メディアテックは、今年末に中国5Gスマホ市場シェアが40%に上昇し、来年はシェア50%が視野に入る。証券会社は、メディアテックの今年の5Gチップ出荷は5,000万~6,000万セットと売上高の2割を占め、来年には1億セット以上に倍増すると予測した。

 サプライヤーによると、メディアテックは中国スマホブランド大手による相次ぐ採用で、8月、9月の売上高が300億元台に乗り、過去最高だった2016年9月の277億1,400万元を上回る見通しだ。

TSMC、Q3売上高楽観

 TSMCは第3四半期売上高も過去最高を更新する見通しだ。ハイシリコンから駆け込みで受注した5ナノメートル製造プロセスでの「麒麟9000」受託生産分を、第3四半期売上高に計上するとの見方があるほか、来月にはアップルが今秋発表するスマホiPhone新機種のプロセッサー「A14」を5ナノで月産6万枚近く生産するとみられている。7ナノプロセスは、メディアテックのほか、クアルコム、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、エヌビディアなど大口顧客の受注で満杯となっている。

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【図】