ニュース 電子 作成日:2020年8月17日_記事番号:T00091593
17日付経済日報によると、IC設計最大手の聯発科技(メディアテック)は、第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン用システム・オン・チップ(SoC)の旗艦新製品「天璣(Dimensity)1200」を来年初めにも発表するようだ。6ナノメートル製造プロセスを初めて採用するとみられる。5ナノ採用製品は、アップルなど他社にファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の生産能力を押さえられているため、来年下半期に量産が始まる見通しだ。
業界関係者は、TSMCの5ナノ製造プロセスは来年上半期の生産能力の大部分が、米アップルとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に確保されているため、メディアテックは5ナノ採用製品の量産が来年下半期になると予測した。これに先立ち、6ナノ製造プロセスを採用した「天璣1200」を来年第1四半期から出荷する予定で、今年第4四半期末にもウエハー投入を開始するようだ。メディアテックは、6ナノおよび5ナノ採用新製品に関する観測について、コメントを控えた。
メディアテックは、現行の5G対応製品▽旗艦機種向け「天璣1000」シリーズ▽ミドルハイレンジ向け「天璣800」シリーズ▽ミドルレンジ向け「天璣720」──のラインアップ全てで、TSMCの7ナノ製造プロセスを採用している。観測によると、メディアテックは5Gの三大クラスのラインアップが出そろったことで、年内は現行シリーズで挑むとみられるが、下半期に同シリーズ製品の改訂版を発表する可能性もあるようだ。
業界関係者は、8月は「天璣800」もあるものの、一定期間は「天璣720」が生産の大部分を占め、第4四半期の主力製品になるとみている。同製品はミドルレンジの位置付けだが、現行の4G製品の価格を上回るようだ。
ウィーチャット禁止が追い風
経済日報によると、米中対立の恩恵を受け、メディアテックの今年の5G対応チップ出荷は、予測を上回る4,000万セットに達する可能性がある。業界関係者は、中国市場の5G対応スマホでの採用率は年末に40%、来年には50%に達すると予測した。
トランプ米大統領は6日、ユーザー10億人以上を抱える中国の対話アプリ、微信(WeChat、ウィーチャット)の運営企業との取引を禁止する大統領令に署名した。これにより、アップルのスマホiPhone上でウィーチャットが利用できなくなる可能性が出ている。中国での調査によれば、利用できなくなった場合、調査対象者の94%がスマホを買い替えると回答した。メディアテックのチップを採用する▽OPPO広東移動通信▽維沃移動通信(vivo)▽小米集団(シャオミ)──や、米国の輸出規制強化を受けメディアテックのチップ採用を拡大する華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)など中国メーカーのスマホへの大規模な買い替えが起これば、メディアテックの出荷拡大に大きく貢献することになる。
ファーウェイ関連では、米国が昨年5月に導入した米企業のファーウェイとの取引規制に関し、これまで数度延長されてきた臨時許可証が8月13日に期限を迎え、再度の延長はされなかった。これにより、メディアテックの競合の米クアルコムは、ファーウェイへの供給が不可能になった。
また、ファーウェイへの半導体輸出規制の強化により、ファーウェイ傘下のIC設計大手、海思半導体(ハイシリコン)のチップを9月15日以降、TSMCは受託生産、供給しなくなる。
観測によると、ファーウェイは来年上半期に発売予定の主力機種「P50」で、プロセッサーの異なる二つのバージョンを検討しており、11月3日の米大統領選挙の結果や規制緩和の可能性を見極める方針のようだ。
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