ニュース 電子 作成日:2020年8月18日_記事番号:T00091620
外電の報道によると、アップルがベトナムでのスマートフォンiPhone生産を検討しており、中国の電子機器受託生産大手、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー)のベトナム工場を視察した。ラックスシェアは年内に緯創資通(ウィストロン)の昆山工場を取得する予定で、来年より中国市場向けにiPhoneを生産するとみられていた。ベトナムでも生産することになれば、台湾の受託メーカーは東南アジア市場向け受注も、ラックスシェアに奪われる恐れがある。18日付経済日報が報じた。
報道によると、ラックスシェアのベトナムの渉外マネジャーTang Due Bang氏は、同社現地工場をアップルが視察に訪れ、設備の設置状況などiPhone生産の実現可能性を確認したと明かした。視察先はベトナム北部バクザン省のバンチュン工業団地内の工場と報じられた。
ラックスシェアは同工場でのiPhone生産が認められれば、従業員数を5万~6万人へと、現在の2万8,000人から増やす必要がある。同工場のこれまでの投資額は2億7,000万米ドル。
業界関係者は、アップルの視察は、ラックスシェアを重視している表れで、同社ベトナム工場でiPhone生産を試す意欲があるとの見方を示した。ベトナム工場の従業員宿舎などの施設は、アップルの基準以下だったようだが、改善は難しくないと指摘した。
4社でリスク分散か
ウィストロンは7月中旬に、昆山子会社など中国2社の全株式と業務を年内に33億人民元(約500億円)でラックスシェアに売却すると発表した。同工場はウィストロンのiPhone組み立て主要拠点。ラックスシェアは、ウィストロンの昆山工場取得により、中国メーカーとして初めてiPhone組み立てに参入するとみられている。
ウィストロンの発表当時は、アップルは米中対立を念頭に、ラックスシェアに中国市場向けのiPhone生産を担わせるものの、中国市場以外は今後も台湾メーカーが生産すると予想されていた。ラックスシェアがベトナム工場で生産することになれば、中国市場だけでなく、中国以外の市場向けも受注する可能性が高い。iPhone受注を分け合ってきた鴻海精密工業、和碩聯合科技(ペガトロン)、ウィストロンにとって脅威が高まった。
これまでに鴻海の劉揚偉董事長は、鴻海の世界首位の地位は容易でなく、顧客との関係構築も一両日でできることではないと話した。
一方、ペガトロンの程建中副董事長は、市場には競争や提携だけでなく、川上川下の関係があり、敵と味方に分けることは難しいと語った。ラックスシェアとの提携の可能性を否定しなかったとみられている。
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