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台大と東海大の実習牧場、乳製品販売で年収1千万元超


ニュース 社会 作成日:2020年8月19日_記事番号:T00091660

台大と東海大の実習牧場、乳製品販売で年収1千万元超

 台湾では大学5校が教育・研究目的で実習牧場を設置して乳牛を飼育している。このうち台湾大学(台北市)と東海大学(台中市)では乳牛から搾った牛乳や乳製品を販売して人気を博しており、両校とも年間1,000万台湾元(約3,600万円)を超える収入を得ている。

 台大生物資源・農学院付属の農業試験場内に設置された台大牧場は、日本統治時代の1935年3月に開設され、既に85年の歴史を有する。台北市中心部の高層ビルが立ち並ぶ環境の中で、乳牛20頭、ブタ、ヤギが飼育されている。

 飼料や牧草は最高級のものを与えているため、牛乳の質は高い。牛乳や乳製品は、毎日決まった時間に台大内のショップで販売されているが、売り切れてしまうほどの人気商品で、大学に年間1,800万元の収入をもたらしている。

 台大牧場では2017年以降、乳牛4頭が、年間の牛乳生産量10トン以上に加え、高い繁殖力の条件を満たした乳牛に贈られる行政院農業委員会(農委会)の「高繁天噸牛奨」を受賞している。台大動物科学技術系の丁詩同教授によると、乳牛の健康確保のため、▽足に装着した歩数計での運動量測定▽チップを飲み込ませての胃酸の水素イオン指数(pH)計測▽蹄病予防のための牧場内への柔らかいマット敷設▽牛舎内の高湿・高温を考慮したスマート型扇風機・ミストメーカー設置──といった手厚い配慮が行われている。

 一方の東海大学では、敷地面積50ヘクタールに上る台湾最大級の実習牧場で乳牛約100頭を飼育しており、牛乳・乳製品販売による年間収入は1,350万元に上る。今後も段階的な生産能力拡充を予定するほか、人工知能(AI)技術を活用したスマート管理システム、搾乳ロボットなど、最先端技術の導入を計画している。

 生産性拡大のため、業務のデジタル・スマート化や福利の改善が必要なのは、牛の世界でも同じのようだ。