ニュース その他分野 作成日:2020年8月21日_記事番号:T00091691
経済部統計処が20日発表した7月輸出受注総額は前月比11.1%増、前年同月比12.4%増の455億7,000万米ドルで、同月の過去最高だった。5カ月連続のプラス成長で、2018年5月以来の2桁成長、過去2年半で最大の伸び幅となった。第5世代移動通信(5G)、新型コロナウイルスを受けたテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)向けハイテク製品の好調持続が主因だ。統計処は、8月も前年同月比5.9~9.6%増の424億~439億米ドルと、プラス成長が続くとみている。21日付経済日報などが報じた。
7月輸出受注総額は、統計処の従来予測値の前年同月比0.6%減~3.1%増を約10ポイントも上回った。黄于玲統計処長は、半導体のハイエンド製造プロセスのほか、リモート商機により▽ノートパソコン▽タブレット端末▽サーバー▽ネットワーク製品▽グラフィックカード──などや、スマートフォンの受託生産といったハイテク製品の受注の伸びが顕著だったと説明した。
情報通信製品は144億4,000万米ドル(前月比11.1%増、前年同月比29.9%増)で、同月の過去最高だった。成長幅は過去10年で最大だった。
半導体など電子製品は132億5,000万米ドル(前月比7.7%増、前年同月比25.4%増)で過去最高だった。6カ月連続の2桁成長で、成長幅は10年9月以来最大だった。
液晶パネルなど光学器材は21億4,000万米ドル(前月比11.3%増、前年同月比10.6%増)だった。成長幅は17年9月以来最大だった。パネル需要回復、価格上昇、バックライトモジュールの受注増が要因だ。
機械がプラス転換
従来型産業を見ると、機械が17億8,000万米ドル(前月比14.4%増、前年同月比6.7%増)と、新型コロナウイルス感染拡大後で初めてプラス成長に転じた。各国・地域でのロックダウン(都市封鎖)措置解除と操業再開により、半導体設備や自動化設備などへの投資が増加した。黄統計処長は、発注が先送りされていたものが含まれている可能性があり、依然注視すると指摘した。
一方、▽ベースメタル、20億4,000万米ドル(前月比14.8%増、前年同月比5.4%減)▽プラスチック・ゴム製品、18億3,000万米ドル(前月比11.2%増、前年同月比4.7%減)▽化学品、14億3,000万米ドル(前月比9.5%増、前年同月比22.7%減)──は前年割れだった。新型コロナウイルスの影響による末端需要の弱まりに加え、国際原材料価格が依然低水準にあることが要因だ。
中国向け、過去最高
主要国・地域からの受注を見ると、中国・香港が前年同月比16.8%増の119億8,000万米ドルで、過去最高を記録した。成長幅は過去2年2カ月で最大だった。うち電子製品が35%成長し、5Gインフラ関連による▽ファウンドリー▽IC設計──などの需要増を反映した。ただ、中国通信設備大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)に対する米国の輸出規制強化を受け、9月15日以降はファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が同社へ供給しなくなるため、駆け込み受注があった可能性がある。
米国は141億2,000万米ドル(前年同月比22.2%増)、欧州は89億2,000万米ドル(18.2%増)で、共に同月の過去最高だった。東南アジア諸国連合(ASEAN)は40億米ドル(5.3%増)、日本は23億9,000万米ドル(7.2%減)だった。
7月の海外生産比率は55%で、前月比0.9ポイント上昇、前年同月比3.3ポイント上昇した。海外生産が多い情報通信製品の受注増加と、各国・地域でのロックダウン措置解除後の受注増を受け、従来型産業が海外工場での生産を増やしたためだ。
1~7月、1.8%増
1~7月の輸出受注総額は2,682億3,000万米ドルで、前年同期比1.8%増だった。今後の見通しについて黄統計処長は、下半期のコンシューマー電子製品の需要期に向けた在庫積み増しがあるほか、リモート商機、5G関連の需要が続くと指摘。従来型産業も、国際原油・鉄鋼価格が次第に上昇しており、回復に向かうとの見方を示した。
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