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彰化銀経営権訴訟差し戻し審、台新金有利の契約の存在確認


ニュース 金融 作成日:2020年8月24日_記事番号:T00091717

彰化銀経営権訴訟差し戻し審、台新金有利の契約の存在確認

 彰化商業銀行(CHB)の経営権争いに関連する契約確認訴訟の差し戻し審で、台湾高等法院(高等裁判所)は21日、金融持ち株会社の台新金融控股(台新金)と財政部の間には台新金による経営権掌握に有利な内容の契約関係が存在したと確認する判決を下した。22日付経済日報が伝えた。

 問題となったのは、財政部が台新金による経営権掌握を支持する内容の契約の存在だ。具体的には彰化銀に対する保有株式を売却する以前の段階で、台新金が彰化銀の筆頭株主であれば、財政部は台新金を支持しなければならず、台新金が彰化銀の董事会で董事4人を指名するという内容となっている。ただ、契約関係の確認を求めた今回の訴訟では判決に基づく強制執行はできないため、経営権争いの決着には直結しない。金融業界関係者は「どちらが勝訴してもメンツの問題にすぎない」と分析した。

 台湾高等法院は契約の解除条件として、財政部が完全に保有株式を売却するか、台新金が筆頭株主でなくなることを挙げた。

台新金、態度軟化

 両者の争いは既に15年に及ぶが、台新金は米生命保険大手プルデンシャルの台湾法人、保徳信国際人寿保険(プルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・オブ・台湾)の買収が決定後、彰化銀の経営権問題で態度を軟化させたとの見方もある。

 台新金は21日夜の声明で、「もし政府が金融国家チームを結成し、彰化銀や兆豊金融控股(メガ・フィナンシャル・ホールディング)をはじめとする政府系金融機関による統合を進めるならば、台新金は全力で支持する」と表明し、業界の臆測を呼んでいる。

 一方、財政部は契約確認訴訟での敗訴に遺憾を表明し、上訴する方針を明らかにした。