ニュース 電子 作成日:2020年8月25日_記事番号:T00091738
ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は24日、南部科学園区(南科)にある中小型液晶パネルメーカーの瀚宇彩晶(ハンスター・ディスプレイ)の工場と付属設備を48億4,000万台湾元(約170億円)で購入したと発表した。TSMCによる南科工場近隣の他社工場購入は8月で3度目、過去3カ月で4度目で、今回が最大規模。購入額合計は100億元を超えた。先進製造プロセスの受注が満杯の中、生産拡大に向け南科での工場取得を加速している。25日付経済日報などが報じた。
TSMCは南科での工場取得について、いずれも生産拡大などの運営上の需要への対応のためと説明した。
今回取得した工場の建物面積は約8万9,847坪。ハンスターが第6世代パネル工場建設のため十数年前に科技部南科管理局から土地を借り受けたが、建設途中のまま遊休地となっていた。業界関係者は、TSMCは既存建造物を解体し、先進製造プロセス工場を建設するとの見方を示した。
経済日報が観測として伝えたところによると、8月に取得した液晶パネル用偏光板メーカーの力特光電科技(オプティマックス・テクノロジー)の工場(建物面積5万4,059坪、購入額36億5,000万元)と解散した太陽電池メーカーの益通光能科技(イートン・ソーラーテック)の工場(建物面積1万3,133坪、購入額8億6,000万元)について、TSMCは3次元(3D)先進パッケージング(封止)の生産拡大に伴う先進封止材料の保管のほか、機械設備移設の際の一時的な保管場所として使用し、南科Fab18工場での生産拡大と南科Fab14工場の設備調整に対応するとされる。この他、5月には極端紫外線(EUV)ポッドの家登精密工業(Gudengプレシジョン・インダストリアル)から南科工場(建物面積1,959坪)を6億6,000万元で購入していた。
3ナノ、22年量産へ
南科Fab18工場は、最先端の5ナノメートル製造プロセスと次世代の3ナノの重要生産拠点となるため、TSMCは全力で拡張を進めている。量産中の5ナノ用の第1~3期が完成済みで、第3期でも第4四半期に設備搬入と試験生産が始まり、来年第1四半期に量産入りする予定だ。同工場では3ナノ用の第4~6期拡張を計画しており、2021年下半期のリスク生産と22年の量産開始を予定する。
また、南科Fab14工場では、ソニーの相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)の専用工場とするため、先進封止の生産能力を拡充するほか、Fab14B工場に独立した共用部分と化学品などの材料供給システムを設置する計画と伝えられていた。
第5世代移動通信(5G)や高性能計算(HPC)など向けの需要に支えられ、TSMCは5ナノと7ナノの受注が手いっぱいだ。同社は先月、今年の設備投資額を過去最高の160億~170億米ドルへと、従来計画から10億米ドル引き上げていた。
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