ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

《新型肺炎》初の大規模コロナ抗体調査、「台湾は安全」(トップニュース)


ニュース 社会 作成日:2020年8月28日_記事番号:T00091817

《新型肺炎》初の大規模コロナ抗体調査、「台湾は安全」(トップニュース)

 彰化県衛生局が血液中の新型コロナウイルス抗体に関する研究調査の中間報告を27日に行い、1~4月に感染を確認した18人全員から、感染を阻害する機能を持つ「中和抗体」が検出されたと発表した。一度感染すれば3~5カ月は感染しないと言える結果で、開発中のワクチンの効果の持続性にも期待感が広がった。また、感染者の接触者や医療従事者など高リスク群4,841人のうち中和抗体が検出されたのはわずか4人だった。高リスク群でさえ陽性率は1万分の8.3と非常に低かったことから、台湾では市中感染のリスクが低いと考えられる。28日付蘋果日報などが報じた。

/date/2020/08/28/00chen_2.jpg陳教授は、台湾の防疫対策は成功したと指摘した(27日=中央社)

 大規模コロナ抗体調査は、彰化県衛生局と台湾大学公共衛生学院が共同で行っており、最終的に計1万74人を対象とする予定だ。

 27日の中間報告によると、台湾で新型コロナウイルス感染拡大がピークだった2~3月に、感染リスクが高かった高リスク群4,841人▽感染者との接触者、362人▽海外から入境した外出制限「居家検疫」対象者、1,548人▽医療機関や防疫対策従事者、2,931人──のうち、中和抗体が検出されたのはわずか4人で、▽感染者の接触者、3人▽「居家検疫」対象者、1人──だった。

 感染者の接触者で中和抗体が検出された3人のうち2人は、2月15日に新型コロナウイルス感染で台湾で初めて死亡した60代男性(第19例、いわゆる白タクの運転手)と仕事上で接触があった。もう1人は、60代男性(第19例)の母親(第21例)と接触していた。

 調査ではこの他、海外からの入境者(「居家検疫」対象者)の中和抗体の陽性率を1とすると、域内例(感染者の接触者、医療機関や防疫対策従事者)は0.27で、73%低かったことが分かった。

 台湾大学公共衛生学院の陳秀熙教授は、外出制限や社会的距離(ソーシャルディスタンス)確保などの防疫対策で、感染が減った証拠と指摘した。

中和抗体、5カ月維持も

 1~4月に感染が確認された18人全員から中和抗体が検出されたことについて同県衛生局の葉彦伯局長は、非常によい知らせだと指摘した。新型コロナウイルスワクチン接種後にも、体内に中和抗体が作られるかが今後の鍵となる。

 国家衛生研究院(国衛院)の蘇益仁栄誉研究員は、感染から5カ月後にも陽性反応が出たことに肯定的な見方を示した。ワクチン接種による感染防止効果の持続性に期待が持てる。

最終報告は9月

 中間報告は当初25日の予定だったが、彰化県衛生局が高リスク群に独自のスクリーニング検査を行っていたことが判明し、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)との足並みの乱れが明るみに出る中で、延期されていた。最終報告は9月の予定だ。