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中元節の灯籠流し、環境配慮や実況中継も


ニュース 社会 作成日:2020年8月28日_記事番号:T00091824

中元節の灯籠流し、環境配慮や実況中継も

 台湾では中元節(旧暦7月15日、2020年は9月2日)の前日、先祖など亡くなった者の霊を鎮めるため「放水灯」と呼ばれる灯籠流しの儀式が各地で行われる。近年では環境に配慮した灯籠を使用したり、儀式の様子を実況中継したりと、伝統文化にもエコやデジタル化の波が押し寄せている。

 台湾で旧暦7月(20年は8月19日~9月16日)は「鬼月」と呼ばれ、地獄の門が開いてさまざまな霊がこの世に来て悪さをする不吉な月と言い伝えられいる。そんな鬼月の半ばに当たる旧暦7月15日には、こうした霊を供養するため、各地の道教廟(びょう)や寺院で「普度」と呼ばれる行事が行われる。この前夜祭として実施されるのが放水灯だ。

/date/2020/08/28/18kakomi_2.jpg三峡祖師廟の「水灯排」(新北市政府リリースより)

 新北市三峡区の三峡祖師廟では盛大な普度を挙行することで知られ、9月1日には多くの提灯(ちょうちん)を塔のように並べた「水灯排」や神話上の人物をかたどった人形を乗せた電飾カー「芸閣車」などによるパレードが実施される。特にパレードの最後に紙でできた寺院などの模型「水灯頭」を三峡河に流す光景は壮観だ。

 一方、新北市中和区の中和広済宮と中和福和宮では同日、新店渓に架かる橋、秀朗橋の下で放水灯を行うが、環境への影響を考慮し、今年は魚のエサでできた灯籠を使用する。

 新北市では今年、179カ所の廟や寺院が普度を実施するが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、大半が規模を縮小する予定だ。そんな中、三重区の先嗇宮では、9月1日午後10時開始の「放水灯」から翌日の祭事に至るまで全行程を実況中継し、現場に来ることのできない市民にご利益を分け与える考えだ。

 この他、新北市政府は供え物や「金紙」(神に供える紙のお金)を燃やす「焼金紙」などの儀式が、インターネット上で疑似的にできるサイトを開設。9月2日に市政府広場で普度を行い、同サイトで儀式をしたネットユーザーのため、祈りをささげる予定だ。