ニュース 電子 作成日:2020年9月2日_記事番号:T00091881
消息筋によると、第5世代移動通信(5G)対応とされるスマートフォンiPhone新機種について、アップルはサプライヤーに対し、昨年並みの7,500万~8,000万台の年内生産を要請したようだ。新機種の発表は例年より数週間遅れると予告したものの、新型コロナウイルスにより経済状況が悪化する中でも需要は堅調との見方がうかがえる。台湾のサプライチェーンは出荷のピークを迎えつつある。2日付経済日報などが外電の報道を基に報じた。
サプライヤーによると、iPhone新機種に搭載が見込まれる新プロセッサー「A14」を5ナノメートル製造プロセスで独占受注するファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC)は、9月の生産能力の8割を割り当て、生産を急いでいる。出荷のピークは10月の見通し。
スマホ向け光学レンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)、筐体(きょうたい)の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)、組み立ての受注を分け合う鴻海精密工業と和碩聯合科技(ペガトロン)も生産のピークを迎えつつある。
このうち、鴻海のiPhone生産拠点である中国河南省の鄭州工場では、従業員復帰率が9割以上に達し、新機種生産に当たっているとされる。ペガトロン傘下の昌碩科技(上海)は、生産ライン4本で試験生産を行っており、9月下旬にも量産入りするとされる。
4モデル、全て有機EL
消息筋によると、iPhone新機種は4モデル。このうちベーシックモデルが5.4インチ「iPhone12」と6.1インチ「iPhone12マックス」の2モデル、ハイエンドモデルが6.1インチ「iPhone12プロ」と6.7インチ「iPhone12プロ・マックス」の2モデルとされ、全て有機EL(OLED)ディスプレイを採用するようだ。このうち、iPhone史上最大のディスプレイサイズとなる6.7インチモデルが最も売れると期待されている。組み立ては鴻海が6.7インチと6.1インチモデルを、ペガトロンが5.4インチを主に担当とするとされる。
ハイエンドモデルでは、光を用いたリモートセンシング「LiDAR」スキャナーを搭載するとされ、拡張現実(AR)への対応が強化されるようだ。
iPhone初となる5Gへの対応では、ベーシックモデルがサブ6ギガヘルツ(GHz)帯のみに、ハイエンドモデルがサブ6GHz帯とミリ波(mmWave)帯の両方に対応するようだ。ハイエンドモデルの5G対応モデムはクアルコムの「スナップドラゴンX55」を採用するとされ、TSMCが7ナノで生産、パッケージング・テスティング(封止・検査)受託(OSAT)は日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)傘下の環旭電子(ユニバーサル・サイエンティフィック・インダストリアル、USI)などが手掛けるとされる。
来年サプライヤー大幅再編か
2日付電子時報は、アップルが組み立ての立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー)など中国の紅色供給網(レッドサプライチェーン)への発注を拡大する中、2021年は多数の台湾メーカーがサプライチェーン再編の影響を受けると指摘した。
こうした中でも、先進製造プロセスで先頭を走るTSMCや、技術でリードするラーガンは、来年もアップルからの受注を安定的に獲得するとみられている。
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