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北部の住宅物件発売総額、過去最高に(トップニュース)


ニュース 建設 作成日:2020年9月4日_記事番号:T00091928

北部の住宅物件発売総額、過去最高に(トップニュース)

 住宅など大きな買い物は縁起が悪いとされる旧暦7月「鬼月」(今年は8月19日~9月16日)後に始まる、不動産業界の住宅キャンペーン期間「928檔期(10月末まで)」に、北部で発売される予約販売物件・新築物件の総額は、前年同期比44.3%増の2,435億6,000万台湾元(約8,800億円)で、2013年を上回り、統計開始以来の最高となる見通しだ。4日付経済日報などが報じた。

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 住宅専門誌『住展雑誌』の何世昌研発長は、資金流入が続く台湾不動産市場の活況を背景に、デベロッパーの発売意欲が急上昇しており、米中対立激化による悪影響も出ていないと指摘。台北市を中心に物件の小型化の傾向が続く中、各社は投資目的だけでなく、初めて住宅を購入する層や転居用の需要を取り込む構えと分析した。

 何研発長は、2~3部屋の物件が主流だが、台北市の住宅価格が高いため、新北市や桃園市に客が流れており、比較的価格が高い新北市では2部屋の物件、桃園市では3部屋の物件が人気を集めると指摘した。

新北・桃園が人気

 県市別で見ると、新北市が首位で1,036億400万元の見通しだ。このうち、販売総額200億元の「合環LAND MARK」のある新店区が300億元、板橋区が250億元で、2区で市の半分を占める。この他は▽三重区▽新荘区▽林口区──が多い。何研発長は、新北市では大部分が1戸当たり40坪以下にして価格を抑えた物件で、初めて住宅を購入する層と投資客の両方を狙っていると指摘した。

 2位の桃園市は606億300万元の見通し。▽桃園区▽中壢区▽亀山区──が約8割を占める。桃園区では中路や小檜渓の再開発区の販売が増えているほか、台北から投資客が流れ、台湾高速鉄路(高鉄)桃園駅周辺の中壢区の青埔特区も人気を集めている。

台北、100坪以下が大半

 3位の台北市は520億8,500万元の見通し。大部分が1戸当たり20~60坪の中小型物件で、初めて住宅を購入する層や転居用の需要を狙い、一部には10~15坪の投資用物件もある。また、70坪以上の中正区の大型物件「富邦醴仁」が全体の1割を占める見通し。台北市では、8,000万元以上の高級住宅物件への房屋税(建物固定資産税)の加重課税、いわゆる「豪宅税」を避けるため、坪数減少の傾向が続いており、多くの新築物件の坪数は100坪以下に抑えられている。

 新竹地区は226億3,000万元の見通し。住宅価格が比較的安く、40坪以上の3部屋物件が売れ筋だ。人気の新竹市東区と北区での新規物件は少なく、供給が逼迫(ひっぱく)している。

 この他、宜蘭地区は25億2,000万元、基隆市は21億元の見通しだ。

【図】