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8月輸出総額、初の300億ドル超え(トップニュース)


ニュース その他分野 作成日:2020年9月8日_記事番号:T00091979

8月輸出総額、初の300億ドル超え(トップニュース)

 財政部統計処が7日発表した8月の輸出総額は、前月比10.6%増、前年同月比8.3%増の311億7,400万米ドルで、初めて300億米ドルを超えた。中国通信設備大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)に対する米国政府による半導体輸出規制が9月15日に強化されることを受け、台湾からの駆け込み調達が15億~20億米ドルあり、新型コロナウイルス感染症流行以降で初めて2カ月連続で前年同月を上回った。年末に向け電子製品の需要期を迎えることから、財政部は「最悪期は脱した」とみている。8日付工商時報などが報じた。

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 財政部統計処の蔡美娜処長は、この他▽新興技術とテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)向け需要で、第5世代移動通信(5G)対応情報通信製品とパネルが伸びたこと▽アップルなどのスマートフォン新製品向け調達▽各国・地域での封鎖措置解除により国際原材料価格が回復に向かい、従来型産業の輸出の減少幅が縮小したこと──を要因に挙げた。

 電子部品は前年同月比19.1%増の124億8,400万米ドルで、過去最高だった。9カ月連続の2桁成長だ。うち半導体は20.4%増の112億8,500万米ドルで、過去2番目に高かった。コンデンサーと抵抗器は42.6%増の大幅増だった。

 情報通信・オーディオ製品は前年同月比21%増の46億100万米ドルで、過去最高だった。コンピューターのパーツ・アクセサリーは32.2%増、コンピューターと付属ユニットは34.4%増、ネットワークスイッチとルーターは35.3%増だった。

 光学器材は前年同月比6.4%増の10億8,400万米ドルで、2018年1月以降で最高だった。液晶装置と部品は13.4%増、偏光板は35.7%増だった。

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 従来型産業では、▽ベースメタル、21億6,000万米ドル(前年同月比6.1%減)▽化学品、13億2,200万米ドル(11.9%減)──は減少したが、7月の10%以上減から改善が進んだ。

 この他▽ゴム・プラスチック、18億1,300万米ドル(3.5%減)▽機械、18億米ドル(5.6%減)▽紡織品、6億3,700万米ドル(15.9%減)▽鉱産物、5億1,600万米ドル(56%減)──が減少した。

米・中向け、過去最高に

 主要輸出先別では、中国(香港含む)が前年同月比22.9%増の144億5,700万米ドルで、過去最高を更新した。ファーウェイ向けの駆け込み調達により、電子部品が前年同月比16億7,000万米ドル増だった。金への投資熱高まりを受け金棒金塊は5億米ドル増、情報通信製品は2億9,000万米ドル増だった。

 米国は前年同月比13.8%増の46億4,700万米ドルで、過去最高だった。新型コロナウイルス感染症流行を受けた巣ごもり需要で、情報通信製品が前年同月比3億5,000万米ドル増、スポーツ用品が6,000万米ドル増だった。

 一方、▽欧州、24億5,100万米ドル(前年同月比4.2%減)▽東南アジア諸国連合(ASEAN)、46億米ドル(3.3%減)▽日本、18億500万米ドル(8.3%減)──はいずれも前年割れだった。

輸入車、2倍に

 一方、8月の輸入総額は247億800万米ドルで前月比8.2%増、前年同月比8.5%増だった。メモリー、中央演算処理装置(CPU)など電子部品が62億7,300万米ドルで20.1%増えたほか、小型自動車は約2倍の6億9,000万米ドルで過去最高だった。新型コロナウイルス感染拡大で輸入が遅れていたドイツの高価格車が多かった。

 1~8月の輸入総額は1,842億300万米ドルで前年同期比0.1%減だった。

9月輸出もプラス成長へ

 1~8月の輸出総額は2,173億8,200万米ドルで、前年同期比1.5%増だった。

 蔡処長は、ファーウェイへの輸出規制が強化される9月15日より前の調達集中が見込めるため、9月の輸出総額は前年同月比1.5~4.5%増との見通しを示した。昨年は9月だった中秋節(旧暦8月15日)連休が今年は10月1日からで、9月の営業日が増えることも押し上げ要因だ。

 第3四半期は横ばいか小幅成長となり、行政院主計総処の予測値(前年同期比1.1%減)を上回る見通しだ。蔡処長は、ファーウェイ向け駆け込み調達により、第4四半期が弱含み、今年は第3四半期がピークとなる可能性もあるとの見方を示した。

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