ニュース 社会 作成日:2020年9月8日_記事番号:T00091999
台湾で養殖されるウナギは日本を主な輸出先としている。日本でウナギの消費量が高まる土用の丑(うし)の日(今年は7月21日と8月2日)を境に価格が急激に下落し、養殖業者の多くは日本向け出荷を停止し、台湾域内向けの出荷に切り替えている。
嘉義県政府農業処漁業科の張建成科長によると、台湾で養殖されるウナギの9割が日本へ輸出されている。輸出されるウナギは「4匹で1キログラム」規格のものが中心。今年7月初めの輸出価格は1キログラム当たり1,150台湾元(約4,200円)だった。
業界関係者によると、土用の丑の日が過ぎた後、需要が大幅に低下した上、昨年の冬から今年の春にかけて東アジア各地でウナギの稚魚の漁獲量が例年に比べ大幅に増加したことから、日本で養殖されたウナギの供給量も増加。これにより需要が低下し、台湾産ウナギの輸出価格は現在、1キロ当たり420元と、ピーク時の約3分の1に下落している。
日本産の養殖ウナギは「5~6匹で1キログラム」規格のものが多く、より大ぶりな台湾産ウナギは依然、一部で需要があるものの、台湾の養殖業者は日本向け輸出価格が回復するまで水揚げを延期し、打撃を回避する方針だ。
張科長は、一部の生産者は日本市場への依存度を引き下げようと、域内市場への出荷も重視するようになっていると指摘。嘉義県内で大規模なウナギ養殖事業を展開するある業者は近年、自社ブランドを創設してかば焼きなどの商品を台湾向けに販売し、高い評価を受けている。
こうした中、今回の輸出価格下落を機に、業界では域内市場重視の姿勢が一段と高まることが予想される。今年の冬辺りからおいしいウナギが安く食べられるようになりそうだ。
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