ニュース 電子 作成日:2020年9月14日_記事番号:T00092075
業界観測によると、スマートフォンチップ世界最大手、米クアルコムは、第5世代移動通信(5G)対応のミドルレンジ~ローエンドスマホ用チップ価格を3割以上引き下げるようだ。大口顧客の中国のスマホブランド大手、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)に対する米国の輸出規制があす15日から強化されることによる打撃を緩和する目的だ。低価格競争に持ち込み、ミドルレンジ~ローエンドに強い台湾のIC設計最大手、聯発科技(メディアテック)から市場シェアを奪う構えだ。14日付経済日報が報じた。
業界関係者によると、ファーウェイは昨年のスマホ出荷台数が2億台以上で、クアルコム、メディアテックにとって重要顧客だった。米国の輸出規制強化でファーウェイ向け出荷ができなくなるため、両社は打撃緩和策を模索している。
クアルコムは市場シェアを守るために価格競争を仕掛けるようだ。ローエンドの5G対応スマホチップは20米ドルを割り込む恐れがある。クアルコムはノーコメント。
メディアテックは、同社は5Gスマホチップ世界市場で優勢で、今後ハイエンドから大衆向けまで製品ラインアップを完備すると説明した。市場では、メディアテックの今年の5Gスマホチップ出荷量は4,000セットに上り、来年はさらに増えると予想されている。
メディアテックの予測によると、全世界での今年の5Gスマホ出荷台数は1億7,000万~2億台で、うち中国市場向けが1億~1億2,000万台を占める。
中国5Gスマホ半額も
5Gスマホチップは4Gスマホチップより価格が高く、粗利益率も高い。年初の時点では、5Gハイエンドチップ価格は70~100米ドル余りに上った。ただ、ハイエンドの5G対応スマホは、高価格な上、アップルのiPhone新機種発売を控え、あまり売れていない。
業界関係者によると、中国市場では5G対応スマホのハイエンド機種の価格は2,000人民元(約3万1,000円)台まで下がっている。クアルコムのチップ価格引き下げで、999人民元前後のスマホが増え、大衆化が進むと予想されている。
低価格の新チップ、21年投入へ
クアルコムは、来年初めにミドルレンジ~ローエンド向けの「スナップドラゴン4」シリーズでも、5G対応製品を投入する計画とされる。
一方、メディアテックは来年上半期にミドルレンジ~ローエンド向けの「天璣(Dimensity)500」を発表するようだ。ハイエンド向けでは、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の6ナノメートル製造プロセスを採用した「天璣1200」を今年末に発表するとみられている。
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