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《ワイズ横丁》陽明山の「サファイアの泉」、観光客向け公開へ


ニュース 社会 作成日:2020年9月14日_記事番号:T00092085

《ワイズ横丁》陽明山の「サファイアの泉」、観光客向け公開へ

 台北市北部の陽明山には、「藍宝石泉(サファイアの泉)」と呼ばれ、青みがかった湧き水をたたえる泉、陽明湧泉が存在する。これまで周辺環境を維持するため一般公開されてこなかったが、新型コロナウイルスの影響で深刻なダメージを受ける同市の観光産業を支援するため、10月からの公開を決めた。

 陽明湧泉は日本統治時代に発見され、当時は「アジア随一の泉」と高く評価された。湧き水は何の処理もせずにそのまま飲むことができ、甘く芳醇(ほうじゅん)な味わいがある。

 陽明湧泉を管理する台北自来水事業処の朱聖心主任によると、湧き水が青みを帯びているのは、泉を整備した際、湧き水を貯める施設にガラス光沢を持つ角閃石などが含まれる「紫蘇角閃安山岩」が使われたことが原因とする説がある。

 これまで陽明湧泉は、水資源の大切さをアピールする市のイベント「天母水道祭」の際しか公開されず、一般市民は年に一度しか見学したり、湧き水を味わうことができなかった。

 宜蘭県や花蓮県、台東県、離島を巡る域内旅行が人気となる一方で、台北101や故宮博物院といった台北市の観光スポットは観光客の深刻な減少に悩まされている状況を考慮し、台北自来水は、限定的ながら陽明湧泉の常時公開を決めた。

 10月1日より受け付けを開始し、1組40人を上限とする団体ツアー客を1日当たり2組受け入れる。台北自来水によると、ツアー客に湧き水の試飲や「利き水」を経験してもらうことも検討している。ただ、食べ物の持ち込みやポイ捨ての禁止など、環境保全のための厳しい規則の順守が要求される。

 一般公開に先立ち、台北自来水が先ごろ、説明会を開催したところ、旅行会社の担当者は興味深いと好評だった。今後、天母古道や天母水道、陽明山国家公園内のスポットと陽明湧泉を組み合わせたツアーが企画される見込みだ。