ニュース 政治 作成日:2020年9月18日_記事番号:T00092208
キース・クラック米国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が17日午後5時過ぎ、台湾に到着した。1979年の米台断交以来、国務省として最高位の訪台だ。滞在は19日までの3日間。今晩、蔡英文総統の晩餐会に出席する。クラック国務次官が担当する米台経済商業ハイレベル対話について経済部は、今回は滞在時間が短いため行わないが、取りやめではないと説明した。18日付聯合報などが報じた。
クラック国務次官(前左4)は17日夕方に台北松山空港に到着し、曽厚仁外交部政務次長(次官、前左2)らが出迎えた(外交部リリースより)
クラック国務次官はきょう18日、午前に産業界関係者と座談会を行い、午後は蘇貞昌行政院長や呉釗燮外交部長、経済部官僚と面会した後、蔡総統の晩餐会に出席する。あす19日は、7月30日に死去した李登輝元総統の追悼礼拝に参列し、帰国の途に就く。
経済部は、今回の訪台の主な目的は李元総統の追悼で、非常に広範なハイレベル対話を行う時間はなく、交流や意見交換にとどまると説明した。ある経済部官僚は、米台間の貿易協定(BTA)締結に向けたプラスの効果があると語った。
外交部は17日、8月9~12日のアレックス・アザー厚生長官訪台に続く米国の高官派遣で、米国が米台関係を重視し、一貫して支持していることの表れだと説明した。
蔡総統は8月28日、米台関係は過去数十年で最も良く、さらに前進させることができると指摘し、米国産牛肉と豚肉に対する輸入規制を来年1月に緩和すると発表した。その直後に米国側が、米台経済商業の新たなハイレベル対話を開始すると発表した。
産業界重鎮、座談会に参加せず
有力産業界団体、中華民国工商協進会(CNAIC)の林伯豊理事長は17日、クラック国務次官との座談会への不参加を表明した。林理事長は先ごろ、BTA実現に向けて「米国からの派遣者の官位が高いほど、台湾側の交渉材料が少なくなる」と発言していた。
蘋果日報によると、中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の王文淵(ウィリアム・ウォン)理事長も欠席する。
座談会は、米国の対台湾窓口機関の米国在台協会(AIT)が工商協進会、工総、台湾区電機電子工業同業公会(電電公会、TEEMA)の三大有力団体に参加を呼び掛けていた。
中国、強く反発
中国外交部の汪文斌広報官は17日、中国が米国に対し、台湾とのいかなる形式でも公的な往来を停止するよう求めているにもかかわらず、クラック国務次官の訪台を設定したことは、「一つの中国の原則」と「三つの中・米コミュニケ」に反しており、台湾独立派を助長させると強く反発した。
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