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《ワイズ横丁》漁の刺し網に「実名制」導入、海洋生物危害の削減目指す


ニュース 社会 作成日:2020年9月23日_記事番号:T00092294

《ワイズ横丁》漁の刺し網に「実名制」導入、海洋生物危害の削減目指す

 海洋委員会海洋保育署(海保署)の統計によると、台湾の周辺海域に昨年廃棄された漁網や漁具の総重量は60トンに上った。こうした漁具に絡まって多くのイルカやウミガメが死んでいるとの指摘が環境保護団体から上がっており、行政院農業委員会(農委会)漁業署は、漁に使用する刺し網の「実名制」を来年より導入することを決めた。

/date/2020/09/23/19fish_2.jpg「東海岸漁業廃棄物図鑑」で刺し網など10種類と被害が紹介された(22日=中央社)

 海洋環境の保護団体、黒潮海洋文教基金会は昨年、台湾全土19県市の海岸で発見された漁具についての調査を実施。その後、東海岸の漁港で聞き取りを行って判明した情報をまとめた資料「東海岸漁業廃棄物図鑑」を22日に発表した。

 黒潮基金会の調査によると、廃棄された漁具は船舶の航行に影響を及ぼしたり、海洋生物が誤って飲み込んだり、漁具に含まれる化学薬剤が海を汚染するといった問題につながっている。

 中でも最も深刻な問題となっているのが、海に廃棄された漁具が海洋生物に危害を加える「ゴーストフィッシング」で、特に海中の岩に結び付いた刺し網はそのまま無意味に魚を捕らえ続ける他、海鳥やウミガメ、イルカなどに絡みつき、負傷させたり死なせたりすることも多いという。

 黒潮基金会は、昨年台湾で捕獲されたウミガメのうち、5割は誤って漁業用の網にかかったもので、1割は廃棄された漁網に絡まって打ち上げられたものだったと指摘。この他、漁網を体に巻き付かせて死んだハンドウイルカやシロナガスクジラも発見されている。

 こうした中、漁業署は今月初旬、来年より漁に使用する刺し網の浮きに漁船の登録番号を表示することを義務付ける規定の草案を発表。黒潮基金会は廃棄物発生元の管理強化は、廃棄物の除去よりも重要で、ゴーストフィッシングの減少につながると歓迎の意を示した。

 同規定は半年間の周知期間を設ける。来年7月以降、違反者に3万~15万台湾元(約11万~54万円)の罰金処分が科せられる見通しだ。