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5G・AI半導体、性能向上続く=TSMC(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2020年9月24日_記事番号:T00092298

5G・AI半導体、性能向上続く=TSMC(トップニュース)

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)董事長は23日、第5世代移動通信(5G)時代に突入し、半導体が欠かせなくなっており、5Gと人工知能(AI)チップの性能向上ニーズは永遠に満たされないと語った。今後も製造プロセスの微細化は続き、2年ごとに効率は倍増すると指摘した。24日付工商時報などが報じた。

/date/2020/09/24/00tsmc_2.jpg劉董事長は、TSMCの成功の秘訣(ひけつ)について問われ「若者の意見に耳を傾け、考え方を理解することだ」と答えた(23日=中央社)

 劉董事長は台北市で同日開幕した半導体業界の展示会、台湾国際半導体展(セミコン台湾)で、「ICイノベーションの未来」をテーマに講演した。

 劉董事長は、同社が7ナノメートル製造プロセスで受託生産している台湾のIC設計最大手、聯発科技(メディアテック)の5G対応スマートフォン用チップ「天璣(Dimensity)1000」を例に挙げ、12ナノプロセスで生産している4G向けの「ヘリオP90」に比べ、演算効率が2倍になり、データのダウンロード速度は8倍に向上したと説明した。

 劉董事長は、今後数年で3ナノ以降の先進プロセスが実現し、▽新たなトランジスタアーキテクチャーや材料の採用▽極端紫外線(EUV)技術の改善▽新システムアーキテクチャーと3次元(3D)パッケージング(封止)技術の統合──などを行うと説明した。微細化はナノメートル以降も進み、演算性能が向上すると同時に、消費電力も大幅に低減できると述べた。

高雄投資、当面は計画なし

 高雄市での工場設置について劉董事長は、当面の計画はないと話した。魏哲家総裁が先週、台湾投資を続行し、高雄市で工場を建設する可能性を排除しないと話していた。

 劉董事長は、今後台湾での工場設置は、北部、中部、南部にバランスよく行うと説明した。南部科学園区(南科)では、今年5ナノプロセスの量産を開始し、2022年には3ナノ量産を開始する。24~25年には同社の生産能力の6~7割が南科に集中する。このため2ナノは新竹科学園区(竹科)に工場を設置するが、足りなければ中部科学園区(中科)で拡張する。

米中冷戦、半導体コスト上昇

 劉董事長は、半導体業界は新冷戦下で情報が自由にやり取りできなくなり、米中がそれぞれサプライチェーンを構築し、コストが上昇すると指摘した。台湾の半導体業界は技術革新と技術力向上が必須ながら、有利な局面だとの見方を示した。