ニュース 電子 作成日:2020年9月25日_記事番号:T00092321
液晶パネルの世界最大手、中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)が24日、南京中電熊猫信息産業集団(CECパンダ)傘下の次世代パネルメーカー2社を121億人民元(約1,900億円)で買収すると発表したことを受け、業界ではBOEが値上げを続行し、台湾のパネル大手、友達光電(AUO)や群創光電(イノラックス)にも好材料との見方が出ている。25日付経済日報などが報じた。
BOEは、CECパンダの江蘇省南京市の第8.5世代工場の株式の80.8%を55億9,100万人民元で、四川省成都市の第8.6世代工場の株式の51%を65億2,600万人民元で取得する。中国のパネル業界で最大規模のM&A(合併・買収)となる。
BOEは7月より値上げに転じ、9月までに大型パネルのオファー価格を3~4割引き上げることに成功した。業界では、BOEは買収により市場シェアが約30%に上昇することから、オファー価格をさらに引き上げるとみられている。
市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)の予測によると、第4四半期も大型パネルの供給不足が続き、オファー価格は10%上昇する見通しだ。BOEが値上げを続ければ、AUOとイノラックスも価格を引き上げられ、第4四半期の利益100億台湾元(約360億円)が視野に入る。
パネル業界では昨年、第10.5世代工場の生産ラインが相次いで稼働し、パネル価格が3割以上下落したことで、各社が赤字に陥った。AUOは今年第2四半期まで6四半期連続の赤字、イノラックスは7四半期連続の赤字を計上した。韓国のサムスンディスプレイ(SDC)は今年末でテレビ用液晶パネル市場から撤退、LGディスプレイ(LGD)は韓国での生産停止を決めた。
台湾のIC受注も拡大
CECパンダの南京工場は主にIPS方式のテレビやノートパソコン、モニター用パネルを、成都工場は主にVA方式のテレビ用パネルを生産している。
市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーによると、BOEは大型パネル市場シェア23%で、CECパンダの南京工場のシェア1.3%、成都工場の3.4%を合わせると、28%となる見通しだ。テレビ用パネルの市場シェアは18.5%から23.3%に上昇、モニター用パネルは27%から31.7%に上昇、ノートPC用パネルは27.3%から31.5%に上昇する見込みだ。
BOEは液晶パネル市場首位で、強者がますます強くなり、液晶パネル関連のIC需要も大幅に増加する見通しだ。BOEにドライバICを供給している聯詠科技(ノバテック・マイクロエレクトロニクス)や鴻海精密工業傘下の天鈺科技(フィティパワー・インテグレーテッド・テクノロジー)、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)の致新科技(グローバル・ミックスドモード・テクノロジー、GMT)の受注が増えそうだ。
BOE向け出荷拡大により、ノバテックは8月の連結売上高が前年同月比30.8%増の72億8,300万元と、2カ月連続で過去最高を更新した。1~8月は495億2,000万元で前年同期比17.3%増だった。
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