ニュース 社会 作成日:2020年9月25日_記事番号:T00092339
国家通訊伝播委員会(NCC)はこのほど、台東県の向陽山と三叉山を巡る登山道、嘉明湖国家歩道の通信環境改善のため、標高3,000メートルを超える地点に基地局を設置することを決めた。重量約100キログラムの発電機をどうやって運ぶか頭を悩ませていたところ、現地で山岳ガイドを務めるブヌン族の男性が名乗りを上げ、見事、背負って運び上げた。
Biugさんは身長170センチメートル、体重78キログラム。「皆のためなら喜んでやる」と語った(24日=中央社)
嘉明湖国家歩道は全長13キロメートルで、途中、標高3,608メートルの向陽山と3,496メートルの三叉山に登頂することができる。この登山道では数カ所で微弱な通信電波を受信できるのみで、遭難事故が発生した場合、救助を要請することが困難な状況だった。
NCCは登山の安全を確保するため、嘉明湖歩道の途中、玉山円柏(ヒノキ科)の老木の近くに、無線通信用基地局を設置することを決めたものの、発電機の運搬方法が課題となった。
基地局設置の請負業者が、発電機を設置地点まで運び上げられる者はいないかと募ったところ、もともと台湾の中央山脈の両側に分布していた高山民族、ブヌン族の出身で登山ガイドやポーターを務めるブヌン族の男性、Biug(胡軒威)さんが名乗りを上げた。
Biugさんは24日午前6時に発電機を背負って出発。険しい山道に最初は数歩進んでは休み、数歩進んでは休むといった状況だったが、徐々に慣れてペースが上がり、全行程3.2キロメートルの道のりを5時間をかけて登りきり、見事任務を成功させた。
途中、巨大な発電機を背負い、黙々と山道を登るBiugさんとすれ違った登山客からは
「100キロなんて平地でも背負えない」「鉄人だ」などと驚きや称賛の声が上がった。
Biugさんによると、今回の任務はこれまで背負った荷物の中で一番重いわけではない。かつて128キロの建材を登山道の終点、嘉明湖まで運んだことがあるというから驚きだ。
基地局は11月に完成予定。Biugさんのおかげで山の安全が大きく改善される見通しだ。
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