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米国のSMICへの輸出規制、台湾にノートPC関連IC転注か(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2020年9月28日_記事番号:T00092362

米国のSMICへの輸出規制、台湾にノートPC関連IC転注か(トップニュース)

 米商務省が米国企業に対し、中国のファウンドリー最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)への特定製品の輸出を許可制にする旨を通知したと欧米メディアが報じる中、ノートパソコンブランドや受託メーカーが関連ICの調達先をSMICから台湾メーカーに変更しているようだ。タッチコントローラーIC最大手の義隆電子(ELANマイクロエレクトロニクス)などは、もともと新型コロナウイルスで高まっていたノートPC関連IC需要がさらに拡大し、来年の春節(旧正月、来年は2月12日)明けまで受注見通しが立っている。28日付経済日報などが報じた。

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 業界関係者によると、SMICは世界5位のファウンドリーだ。月産能力は8インチウエハー換算で48万枚で、市場シェアは4.5%。40ナノメートル以前の製造プロセスが中心で、0.15/0.18マイクロメートルプロセスの構成比が約33%、90/65ナノメートルが30%以上。主にノートPC関連ICを生産している。

 ELANによると、タッチコントローラーIC需要がとりわけ旺盛で、納期は4カ月に延びている。顧客からの追加受注に頭を悩ませており、ファウンドリーに生産能力を要望している状況だ。

 偉詮電子(ウェルトレンド・セミコンダクター)は、今年のノートPC向けのUSBパワーデリバリー(USB PD)規格コントローラーICの出荷量が1億~1億2,000万個へと、前年の6,200万個から倍増する見通しだ。最近は来年1月分を受注しており、春節連休を考慮し、来年2月出荷分を準備している。

 茂達電子(アンペック・エレクトロニクス)は、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)やファンコントローラーICなどの需要増で、来年1月まで受注見通しが立っている。

 IC設計会社によると、マイクロコントローラー(MCU)の生産をファウンドリーに追加発注する場合、1~2割の価格上乗せを求められる。第4四半期のオファー価格は10%以上の上乗せもあるようだ。

NOR型フラッシュ不足も

 業界では、ファウンドリー大手の▽台湾積体電路製造(TSMC)▽聯華電子(UMC)▽TSMC傘下の世界先進積体電路(VIS)──に対しクアルコムやブロードコムからの緊急受注が舞い込むと予想されている。クアルコムはこれまで、ハイエンドのスマートフォン向け電源管理ICの大部分をSMICに生産委託していた。

 メモリー大手の華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)と旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル、MXIC)も、受注増加が見込まれる。SMICは、NOR型フラッシュメモリー中国最大手、北京兆易創新科技(ギガデバイス・セミコンダクター)のNOR型フラッシュメモリー月1万枚を受託生産していた。

【表】