ニュース 社会 作成日:2020年9月28日_記事番号:T00092384
台湾を含む中華圏では中秋節(旧暦8月15日、今年は10月1日)に、月に見立てた菓子、月餅を食べる習慣があり、現代ではこの日が近づくと親しい人やお世話になった人に月餅を贈答する文化が根付いている。今年は新型コロナウイルスの影響で、親しい人の身を案じる気持ちが高まったためか、月餅の需要が高まっており、特に人気店には長蛇の列ができている。
台湾式の月餅「蛋黄酥」の名店として知られる彰化県彰化市の不二坊は、平常時でも店の前に行列ができ、警察が整備に乗り出すことがあるほどの人気店だ。今月初旬、中秋節を控えて混雑が深刻化すれば、新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生する恐れがあるとして、9~26日は店頭での販売を一時停止すると発表した。
これにより今年の中秋節向けに不二坊で蛋黄酥を購入できるのは、27日~10月1日の5日間のみとなった。このため同店の店先には店舗販売の再開前日、26日の夜から一般市民や転売目的の購入者が列を作り始めた。
不二坊は当初、27日の午後2時30分より販売を再開する予定だったが、同日朝の時点で150人が並んでいる状況を見て、大慌て。全員に商品が行き渡るよう材料を用意するのに時間がかかり、夕方になってようやく販売を開始した。
不二坊では蛋黄酥を1個40台湾元(約140円)で販売しているがが、現在、インターネットの転売価格は15個入りで2,250元、つまり1個150元と3.75倍に高騰している。
ちなみに台湾で販売されている月餅のうち、最も高額なのは香港の高級ホテル、ザ・ペニンシュラ香港の看板商品「奶黄月餅」で8個入り1,580元、1個当たり197.5元だ。
ネットショッピングサイトのヤフー!奇摩購物中心では、今年の中秋節シーズンは月餅の売上高が前年同期に比べ倍増している。friDay(フライデー)購物でも、中秋節用ギフトセットの販売量が30%増加している。これについて業界関係者は、不安感が高まる中、気遣い合い、慰め合うためと分析。また今年はベーカリー店が積極的に販路を拡大し、消費者の選択肢が増えたことも購買意欲を刺激していると指摘した。
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