ニュース 社会 作成日:2020年9月29日_記事番号:T00092405
台湾では、徴兵制が廃止され、1994年1月1日以降に誕生した男子は4カ月間の軍事訓練を受けるだけで済むようになっている。これら短期間の訓練しか受けていない者は、その後実施される再訓練に応じる比率が目に見えて低いことが明らかとなり、台湾の防衛力維持を懸念する声が上がっている。
台湾ではかつて、男子に18歳から36歳までに2年間の兵役に就くことを義務付けていた。2000年以降、兵役期間は徐々に短縮され、08年からは半分の1年となり、志願制の導入も始まった。13年からは、94年1月1日以降に誕生した者に4カ月間の軍事訓練を義務付けるのみとし、18年末より全面的に志願制へ移行した。
このため、台湾に有事があった際に戦力として登用可能な予備役のうち、軍事訓練終了者が占める比率が年々拡大している状況だ。
軍事訓練終了者は、その後8年間に4度を上限として「教育召集」と呼ばれる再訓練に参加することが求められる。立法院予算センターの報告書によると、教育召集に参加可能な者は昨年末時点で約22万9,000人だったが、うちこれに応じた者は約6万1,000人と26.89%にとどまった。1年間の兵役を終えた者(93年12月31日までに誕生した者)の再訓練参加率46.18%、元志願兵の46.03%を大きく下回った。
報告書によると、1年間の兵役経験者の予備役は15年時点で約72万6,000人だったが、今年6月には37万4,000人まで減少。一方、軍事訓練終了者の予備役は同期間に3万1,000人から30万5,000人まで増加している。
中国からの軍事的脅威が高まる中、蔡英文総統は今年5月の就任演説で、予備役制度の改革を進めると表明した。兵役経験者や元志願兵と同等の戦力と見なすことができない軍事訓練終了者が増え、再訓練への参加率も低い中、国防部には兵力の維持に向けた対策が求められている。
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