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作成日:2008年8月1日_記事番号:T00009245
相次ぐ財務危機で信用収縮、長期手形の発行が激減
仕欽科技(エバースキル・テクノロジー)の破たんや歌林(コリン)の経営危機などを通じて金融業者の間で信用不安が高まっており、既に短期与信にその影響が表れている。観測では現在コマーシャルペーパー(CP)は30日を償還期限とするものが全体の50~60%を占め、180日期限のCPは市場からほとんど姿を消しており、信用収縮が進んでいることがうかがえる。1日付工商時報が報じた。
CPを発行する証券会社や金融機関では、信用に懸念のある企業に対しては従来の長期の約束手形が償還期限を迎えた後は、短期の手形に切り替えるか、または発行を停止し債権の回収に努めているという。
またある業者によると、CP発行業者は特定の産業、企業規模、財務状況などを基に「ブラックリスト」を作成しているが、ブラックリストに入った企業の数は昨年同期に比べ10%ほどの増加を見せているという。
産業については、自動車メーカー、自動車リース、建設、航空などでリスト入りが出ており、中には業界最大手も数社含まれているという。ただ最も懸念されるのは中小企業で、世界経済の後退とインフレが進めば、コストを消化できない転嫁できない中小企業は真っ先に危機を迎えるとしている。