エルステッド洋上風力発電、基礎に亀裂問題(トップニュース)/台湾


ニュース 公益 作成日:2020年10月6日

エルステッド洋上風力発電、基礎に亀裂問題(トップニュース)/台湾

記事番号:T00092466

 6日付工商時報が台湾国際造船(台船、CSBC)の主管の話を基に報じたところによると、洋上(オフショア)風力発電大手のデンマーク企業、エルステッドが彰化県沖で開発中の洋上風力発電所「大彰化東南」と「大彰化西南」で、台湾メーカーに設置を委託している海底基礎構造物全てに、設置からしばらくして溶接部に亀裂が生じている。台湾生産化を進める中、エルステッドから技術移転がなく、技術者も派遣されていないことが一因とされ、工期が予定より9カ月遅れているようだ。一部を韓国メーカーからの調達に切り替えるとの観測も浮上している。

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 エルステッドは中国鋼鉄(CSC)傘下の興達海洋基礎に海底基礎構造物56基を委託した。台船は興達海洋基礎から、22基の水中での電気溶接工事と、56基の防蝕塗装工事を約5億台湾元(約18億4,000万円)で請け負っている。

 台船の主管によると、興達海洋基礎と台船が手掛けた溶接工事で、完了から4カ月後には亀裂が生じている。台船は、CSCとエルステッドが交わした契約で、溶接の技術移転について詳細な記載がなく、技術移転費用が高額でコア技術の移転で合意していない可能性があると懸念している。エルステッドが外国人技術者を派遣したことはなく、CSCはシンガポールやスペインの専門家に問題について相談している。

 経済部が招集した連絡会議の参加者は、鋼板、溶接棒、施工の工程と構造のいずれにも問題があるとの認識だ。会議では、エルステッドに協力を要請しているが、同社は新型コロナウイルスを理由に外国人技術者の派遣を断っている。

 また、エルステッドが興達海洋基礎に委託していたうち40~45基分を、韓国メーカーから調達し直すとみられている。市場では、風力発電機の製造には8億元かかるとされ、事実となれば巨額の損失が発生する。

CSC、工期遅れを否定

 一方、CSCは溶接の問題点は判明しており、委託先などと改善に当たっているところで、工事のスケジュールが遅れるほどではないと指摘した。翁朝棟董事長は、一般に想像されるほど深刻な問題ではなく、エルステッドが調達先を変更するかを懸念するのでなく、海底基礎構造物を完成させることが重要で、台湾生産化の任務を成し遂げると表明した。

 また翁董事長は、エルステッドとの関係は良好で、工事監督や品質管理者が派遣されていると指摘。ただ、技術チームには、シンガポールやスペインからも招いていると説明した。

 エルステッドは、台湾の一部サプライヤーが困難に直面していることは事実と認めた上で、全力で支援すると表明した。ただ、洋上風力発電所は品質と安全を確保し、期限に設置しなければならず、サプライヤーが期限に納入できなければ必要な措置を取ると表明した。

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