ニュース 社会 作成日:2020年10月8日_記事番号:T00092534
内政部警政署刑事警察局はこのほど、新竹県の山中に人目につかないよう建設された建物に対し、小型無人機(ドローン)を使用して調査を進め、内部で麻薬が製造されているとの証拠をつかんだ。その上で立ち入り捜査を行い、主犯の男(57)ら5人を逮捕した。
台湾の犯罪史上で最大規模の麻薬工場だ(7日=中央社)
主犯の男は27年前にヘロインの密輸により無期懲役の有罪判決を受けて刑務所に収容された後、10年余りで仮釈放となっていた。最近、インスタントコーヒーの小袋の中に各種薬物を調合して販売する「毒珈琲」と呼ばれる麻薬が人気となっていることを知り、「現役復帰」することを決意。今年3月に新竹県新埔鎮の山中に土地を借りて約100坪のトタン張りの建物を建設し、その中で毒珈琲の主原料となる4-メチルメトカチノン(メフェドロン)、通称「喵喵(ミャオミャオ)」を製造しようと考えた。
4月に建物が完成した後、メフェドロンの製造役など3人を仲間に誘い、必要な設備を搬入して8月中旬に試験生産を開始した。この工場では原料となるトルエンをタンクに入れて蛇口をひねるだけでメフェドロンができる装置を備えており、8月末には1日に80~100キログラムの生産が可能となった。
警察は4月の時点で、この建物に関する情報を得ていたものの、接近するための道路が1本しかない上、監視カメラが設置され、番犬がいたため、容易に近づくことができず、ドローンを使用して空から証拠を収集する方法を選択した。
20回以上にわたりドローンを飛ばして証拠を集めた結果、麻薬が製造されていることは間違いないと確信。警察は8月末に立ち入り捜査を強行した。主犯の男と仲間3人、地主の5人を逮捕した他、150キログラムのメフェドロンや半製品、製造設備、原料などを押収した。
150キロのメフェドロンからは毒珈琲150万パックが製造可能で、末端価格は5億台湾元(約18億5,000万円)を超えるという。
メフェドロンは新興の麻薬で、中枢神経系を刺激して興奮させる作用があり、使用者に▽幻覚が見える▽攻撃的になる▽自傷行為に及ぶ──などの反応が現れる場合があり、▽血圧の上昇▽動悸▽けいれん・ひきつけ──などの症状が出ることもある。心血管疾病があれば、死亡リスクが高まる。統計によると、台湾では摂取が原因で年間約60人が死亡している。
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