ニュース 電子 作成日:2020年10月16日_記事番号:T00092642
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家総裁は15日、デジタルトランスフォーメーション(DX)需要は2022年まで続くと予測した。新型コロナウイルス感染症流行を受けたテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)の普及や、第5世代移動通信(5G)・高性能計算(HPC)向けの先進製造プロセス需要が力強く、同社は今年の売上高見通しを前年比30%増と、7月時点の20%増から引き上げた。上方修正は今年2回目だ。16日付工商時報などが報じた。
魏総裁は同日の業績説明会で、テレワークでパソコンがよく売れ、4Gより搭載チップが30~40%多い5G対応スマートフォンが発売されるなど、新しい需要が生まれていると指摘した。5ナノメートルなど先進プロセスは今後数年、力強い需要が続くと予測した。
魏総裁は、顧客はマクロ環境の不確実性を考慮し、半導体の在庫水準を引き上げているだけで、在庫過多の問題はないと述べた。
同社の今年の5ナノ売上高構成比は8%で、来年は20%近くまで上昇すると予測した。
5ナノ以降の製造プロセスは、4ナノが来年第4四半期に試験生産、22年に量産に入ると説明した。立体構造トランジスタ(FinFET)技術を採用する3ナノは開発段階で、来年の試験生産、22年下半期の量産を予定する。
2ナノの開発進度については言及はなかった。同社は8月下旬の技術フォーラムで、3ナノから製造プロセスを一新すると説明していた。24年の量産開始と予想されている。
全世界でファウンドリーの生産能力が不足する中、8インチウエハーの受託生産価格を引き上げるという市場の観測に対し魏総裁は、顧客との提携関係があり、この機に値上げすることはないと語った。
20年設備投資、170億ドルへ
黄仁昭財務長は、今年の設備投資額は160億~170億米ドルの予定で、顧客の需要が強いため、実際には上限の170億米ドルに達するとの見通しを示した。
今年のメモリーを除く半導体生産額予測は前年比4~6%増へと引き上げた。うちファウンドリーは20%増へと、従来予測の17~19%から上方修正した。
Q3純利益、過去最高
TSMCが15日発表した第3四半期連結売上高は前期比14.7%増、前年同期比21.6%増の3,564億2,600万台湾元(約1兆3,000億円)で、過去最高だった。粗利益率は53.4%で、前期比0.4ポイント上昇、前年同期比5.8ポイント上昇した。営業利益は前期比14.5%増、前年同期比39.1%増の1,500億4,800万元で、過去最高だった。純利益は前期比13.6%増、前年同期比35.9%増の1,373億1,000万元で、過去最高だった。
第1~3四半期の連結売上高は9,777億2,200万元で、前年同期比29.9%増だった。粗利益率は52.8%で8.5ポイント上昇した。純利益は63.6%増の3,751億1,900万元で、過去最高だった。
第4四半期の連結売上高見通しは、124億~127億米ドルで前期比2.2~4.6%増、台湾元換算では3,565億~3,651億2,500万元で2.4%増。粗利益率は51.5~53.5%、営業利益率は40.5~42.5%の予測だ。
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