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鴻海、EVオープンプラットフォーム発表(トップニュース)/台湾


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2020年10月19日_記事番号:T00092671

鴻海、EVオープンプラットフォーム発表(トップニュース)/台湾

 電子機器受託生産サービス(EMS)最大手の鴻海精密工業と自動車大手の裕隆集団は16日、電気自動車(EV)のODM(相手先ブランドによる設計・生産)を手掛ける合弁会社「鴻華先進科技」の設立と、EVオープンプラットフォーム「MIH」を発表した。2年以内にEVを市場に送り出し、2025~27年に世界のEV市場シェア10%、300万台以上の採用を目指す。17日付工商時報などが報じた。

/date/2020/10/19/00mih_2.jpg劉董事長(右)は米EV大手のテスラがEV界のiPhone(アップルのスマートフォン)なら、MIHはアンドロイドだと語った(16日=中央社)

 鴻華先進科技は、資本金155億7,600万台湾元(約570億円)。出資比率は鴻海集団が51%、裕隆集団の華創車電技術中心(HAITEC、ハイテック)が現物出資で49%。鴻華先進科技の董事長には劉揚偉氏(鴻海董事長)、副董事長には左自生氏(HAITEC副総経理)が就任した。

 「メード・イン・ホンハイ」「メード・イン・ハイテック」から名付けたMIHは、EVのソフト・ハードウエアのオープンプラットフォームで、顧客は車両開発の時間、リソース、コストを短縮、削減することができる。劉董事長は、従来は自動車のプラットフォーム開発に4年以上、20億~30億米ドルかかったが、わずか2年で新車を発売できるようになると説明した。

 左・鴻華副董事長は、セダン、スポーツ用多目的車(SUV)、多目的車(MPV)など、どんな車種でも開発できると指摘した。

 年内にもフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と提携する見通しだ。

電池、24年商用化へ

 劉董事長はボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の調査を引用し、25~30年はEV世界市場が年間3,600万台規模に拡大するEV市場の重要な時期で、多くの自動車ブランドと提携していくと意気込んだ。

 また劉董事長は、EVは、電池・電機・電子制御の「三電システム」が競争の鍵と指摘し、同社は24年に100%自社開発の全固体電池を商用化すると表明した。電池はEV全体のコストの30~35%を占める。

 劉董事長は、EV用電池は多くの企業が参入する必要があるとして、政府に対し電池の技術や材料の研究開発(R&D)奨励を呼び掛けた。