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UMC、東芝8インチ工場を買収か(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2020年10月28日_記事番号:T00092831

UMC、東芝8インチ工場を買収か(トップニュース)/台湾

 28日付経済日報によると、ファウンドリー大手の聯華電子(UMC)が東芝の8インチウエハー工場2基を買収するとの市場観測が浮上している。買収額は最大100億台湾元(約365億円)とみられている。世界での第5世代移動通信(5G)サービス開始を受け、主に8インチ工場で生産するディスプレイドライバIC、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)などの需要が大幅に高まる中、UMCは8インチ工場を取得できれば、さらに受注できるようになる。

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 UMCは27日、市場のうわさには回答しないとした一方、M&A(合併・買収)についてはオープンな立場だと説明した。東芝デバイス&ストレージの広報担当はワイズニュースの取材に対し、「コメントはない」と回答した。同社は完全子会社ジャパンセミコンダクターが岩手事業所、大分事業所に8インチのファウンドリー工場を保有している。

 UMCはあす29日、オンラインで業績説明会を開催する予定だ。M&Aについて発表があるのか注目が集まる。

 8インチ工場の受注急増を受け、UMCの第3四半期連結売上高は前期比1.1%増、前年同期比18.9%増の448億7,000万元で、過去最高だった。

 証券会社によると、近年8インチ工場が新設されていなかったところに、5G関連チップ需要が急増し、UMCやファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)傘下の世界先進積体電路(VIS)をはじめ世界の8インチ工場は受注が満杯となった。受託生産価格も上昇しているようだ。

 新型コロナウイルス感染症の流行によるテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)や巣ごもり商機でノートパソコンなどの電子製品の需要が高まっていることも要因だ。

 業界関係者は、8インチ工場の供給不足は今後も続くと予測した。

設備投資4割増

 UMCの今年の設備投資予算は10億米ドルで、昨年の7億米ドルから4割増加した。うち85%は12インチ工場、一部は中国福建省アモイ市の子会社、聯芯集成電路製造(アモイ)の28ナノメートル製造プロセスの生産能力拡大に充てる。

 UMCは2019年10月1日、富士通セミコンダクターと合弁だった三重富士通セミコンダクター(MIFS)の全株式を取得し、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(USJC)に社名を変更している。

【表】