ニュース 電子 作成日:2020年11月10日_記事番号:T00093051
日系の半導体製造装置・部材サプライヤーの台湾投資の促進支援について業務協力する提携覚書(MOU)を10日、みずほ銀行と投資台湾事務所(インベスト台湾)が締結した。24日にカンファレンスを共同開催し、日系サプライヤー約80社・120人が参加予定だ。みずほ銀行の木原武志台北支店長は、日系サプライヤーには、生産拡大を続けるファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)から増産要求が相次いでおり、MOUを通じて日系サプライヤーの台湾投資を支援することで、台湾半導体産業の成長と、日系サプライヤーのビジネスチャンスの両方につながると語った。
木原支店長(右)とインベスト台湾の張銘斌執行長(左)がMOUに調印した(YSN)
みずほ銀行とインベスト台湾は共同で、カンファレンスやセミナーの開催、日系サプライヤーへの情報提供を行う。みずほ銀行は半導体関連の日系サプライヤーの9割と取引があり、要望を集約できると説明した。インベスト台湾は、対台湾投資をサポートする経済部を中心とした省庁横断組織。インベスト台湾と金融機関とのMOU締結は初めてだ。
TSMCの今年の設備投資額は170億米ドルに達する見通しで、来年も今年と同規模の投資を予定。日系サプライヤーが強みを持つ▽露光装置▽エッチング装置▽洗浄装置──などの装置、▽レジスト▽エッチングガス▽洗浄液──などの部材は半導体製造には欠かせず、TSMCの設備投資に合わせ、これらサプライヤーも増産する必要がある。
TSMCからは毎年のように2割、3割といった増産要求があることから、既に生産がフル稼働の日系サプライヤーは、生産ラインや工場を拡張する必要が出てくる。日系サプライヤーの台湾投資は年間10~20件。50億円、100億円規模の新規設備投資が必要となれば、日本本社の了承を取り付ける難易度が高くなる。
木原支店長は、みずほ銀行には台湾進出60年以上の歴史があり、顧客の信頼が厚く、要望を耳にする機会が多かったと述べた(YSN)
木原支店長は、台北支店のほか、台中支店、高雄支店の支店長も兼任しており、取引先との会話の中で、新規設備投資の意思決定という共通の悩みが浮き彫りになったと指摘。また経済面のほか、日系サプライヤーが直面する課題として、▽許認可▽用地の確保▽環境影響評価(環境アセスメント)──などを挙げた。MOUを通じてインベスト台湾に要望を伝え、日系サプライヤーが台湾での投資を円滑に進めていけるようにしたいと語った。
顧客希望で交流会実施
みずほ銀行と経済部・インベスト台湾が共同開催する「日台半導体カンファレンス2020」は、24日午後3時から新竹県竹北市で行われる。参加予定の約80社、120人の日系サプライヤーのうち、台中市、台南市からの参加もある。
前半はインベスト台湾、TSMC、みずほ銀行産業調査部による講演、後半には交流会を実施予定だ。みずほ銀行によれば、多数の顧客の声として、普段接点がない企業とも、工程の川上・川下を超えた交流を行いたいとの希望があったため、交流会の時間を設ける。みずほ銀行は、業界全体のコミュニケーションの活性化につなげたいと説明した。
(取材:林弘恵)
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