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《新型肺炎》台湾製コロナワクチン治験、2万人募集(トップニュース)/台湾


ニュース 医薬 作成日:2020年11月12日_記事番号:T00093109

《新型肺炎》台湾製コロナワクチン治験、2万人募集(トップニュース)/台湾

 中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は11日午後、台湾製新型コロナウイルスワクチンの第2相臨床試験の参加者2万人の募集をインターネット上で開始し、12日午後3時半までに約1万3,000人以上から応募があった。期限は今月末まで。政府が臨床試験の参加を募るのは初めて。ワクチンの研究開発(R&D)が順調に進めば、来年第2四半期末にも緊急認可し、接種を開始できる。12日付蘋果日報などが報じた。

/date/2020/11/12/00chen_2.jpg応募が多いことについて陳衛福部長(前)は、市民の協力に感謝すると述べた(11日=中央社)

 主な対象は20歳以上の成人。法定代理人の同意を得た12歳以上20歳未満も参加できる。ワイズニュースが居留証を持つ外国人の応募について防疫ホットライン(電話番号1922)に確認したところ、可能と回答があった。一方、病状が不安定な慢性疾患患者や妊婦などの参加は推奨しない。

 臨床試験では、事前にワクチンメーカーが応募者に参加意欲を再度確認する。一部の参加者にはワクチンを接種せず、対照実験を行う。対照実験の対象者は、ワクチン開発完了後、優先的に接種できる。副反応が出た場合は、無条件で治療を受けられる。参加者には保険がかけられ、万一の場合に賠償を受けられる。

 蘋果日報によると、臨床試験の参加者は通常、協力費(謝礼)や交通費として通院1回当たり2,000~3,000台湾元が支払われるので、今回は8,000~1万8,000元(約3万~6万7,000円)が支払われるとみられる。

早ければ12月に実施

 指揮センター指揮官の陳時中衛生福利部(衛福部)長は、第2相臨床試験の参加者はメーカー1社当たり3,500人以上必要と指摘した。通常、臨床試験の募集はメーカーや医療機関が行うが、政府が参加を募ることで、スピーディーに参加希望者を集め、臨床試験の実施時期を早めたいと述べた。

 ワクチンメーカーの国光生物科技(アディミューン)の広報担当は、メーカーが自社で臨床試験の参加者3,000人規模を募集した場合、半年以上かかる恐れがあると説明した。

 衛福部食品薬物管理署(TFDA)の呉秀梅署長は、アディミューンは12月末に第2相臨床試験を開始する見通しと述べた。この他、聯亜生技開発(UBIアジア)と高端疫苗生物製剤(メディゲン・ワクチン・バイオロジクス)が第1相臨床試験を実施中だ。アディミューン子会社の安特羅生物科技(エニミューン)は年内に第1相臨床試験を開始する予定だ。

 指揮センターは第3相臨床試験について、新型コロナウイルス感染症が流行している現場で行う必要があり、海外で行う必要があると説明した。